布団の上での解毒
夜の露天風呂で心身を温め、愛を確かめ合った二人。
風呂からあがり、再び浴衣に着替えて部屋へと戻ってきた。
部屋には、先ほど敷かれていた一組の布団が、二人を待っている。
二人はその布団の上に、向かい合うようにしてちょこんと座った。
湯上がりのせいか、お互いの肌が熱っていた。
彩花: 「ふぅ……。夜の露天風呂も、最高でしたね。昼間よりも、ずっと心が安らぐ気がします。」
美優: 「ああ。誰にも聞かれない、『私たちの儀式』のようだ。
さあ、彩花。今日のこの特別な一日を締めくくる前に、改めて、お互いの頑張りをねぎらい合おう。」
彩花: 「はい、美優…
…美優は、本当にこの旅行の日まで、大変な日々を乗り越えてくれましたね。巡査長としての重圧、あの事件のバックアップ、そして剣道指導。
私には想像もできないほどの激務だったと思います。本当にお疲れ様でした。」
(彩花は、感謝と労いの気持ちを込めて、美優の手を両手で包み込んだ。)
美優: 「ありがとう、彩花。君のその言葉が、何よりの薬だ。
彩花こそ、署内での地道な業務と、市民対応の精神的な疲労。誰にも弱音を吐かず、いつも笑顔で職務を全うする君の真面目さには、頭が下がる。本当によく頑張った。
お疲れ様。」
(美優は、彩花の手を強く握り返し、労いの気持ちを伝えた。お互いの手のひらから、温もりが伝わってくる。)
美優: 「そして、労いの言葉の後に、もう一つ。愛する言葉もだ。」
彩花: 「……っ!」
美優: 「彩花。私は、君のすべてを愛している。
真面目すぎるほどの仕事への姿勢も、時々見せる弱い涙も、私にだけ打ち明けてくれる正直な言葉も。
君は、私にとって、この厳しい世界の中で、唯一無二の光だ。」
彩花: (美優の真摯な眼差しに、再び瞳を潤ませながら)
「美優……! ズルいです、本当に。私も、美優の嘘のない強さと、私だけにしか見せない優しさが、何よりも大好きです。
愛しています、美優。 巡査長としても、私の恋人としても、美優は私の誇りです。」
(愛の言葉を交わし合った二人は、もうそれ以上話す必要はないと悟ったかのように、優しく抱きしめ合った。
布団の上で触れ合う二人の心は、深く、強く結びついていた。
真面目に、そして真摯に愛し合う二人の夜が、静かに更けていく・・・。)




