浴衣姿で・・・
露天風呂での濃密な時間・・・しかし、露天風呂ばかりでは勿体ない。
のぼせてしまっては大変なので、また夜か翌朝に入ることにして、美優と彩花は名残惜しそうに湯船から上がった。
湯気で火照った顔を見合わせる。
彩花: 「ふぅ、温まったー! 美優、ちょっとのぼせそうです。でも、名残惜しいですね。次は、夜、星空を見ながら入りましょうか。」
美優: 「そうだね。長湯は厳禁だ。せっかくの旅行で体調を崩してはいけない。これも『真面目な計画』の一環だ。さあ、浴衣に着替えて、部屋でゆっくりしよう。」
(二人は持参したお揃いの浴衣に着替えた。制服とは全く違う、柔らかな色合いの浴衣に身を包んだ互いの姿を見て、思わず微笑み合う。)
美優: 「彩花、浴衣がよく似合うな。普段の制服姿も美しいが、この姿は……本当に、心が安らぐ。」
彩花: 「美優こそ。いつも厳しい巡査長の顔をしているから、こんなに穏やかな表情の美優を見ると、なんだか泣きそうになります。
・・・ふふ、まるで新婚旅行みたいですね。」
(二人は部屋に戻り、広縁の座椅子に並んで腰掛けた。窓の外は、静かに夕暮れを迎えようとしている。美優は、冷蔵庫から冷たいお茶を取り出し、二人に注いだ。)
美優: 「さあ、お茶だ。……彩花、膝枕の前に、さっき露天風呂で話していた『写真』を撮らないか? 浴衣姿の記念写真を。」
彩花: 「いいですね! 撮りましょう! 美優が写真に乗り気なのが、なんだか新鮮で嬉しいです。」
(二人は、照れながらも様々なポーズで写真を撮り合った。真面目な美優が少しだけおどけた表情を見せたり、彩花が美優にそっと寄り添う姿など、誰にも見せることのない、二人だけの「非番の記録」が増えていく。)
彩花: 「ふぅ、これで私たちだけの『公務外の証拠』が残せましたね。
さあ、次は……。」
(彩花は美優の隣に移動し、頭を美優の太ももに乗せて横になった。)
彩花: 「膝枕を要求します、美優。この疲労を、美優の一番信頼できる場所で癒したいんです。
・・・私、今日はもう、何も考えたくない。」
美優: (愛おしそうに彩花の頭を撫でながら)
「うん。いいよ、彩花。よく頑張った。私がしっかり支えているから、何も考えずに、ゆっくり休んで・・・。」
(美優は、自分の胸の中にいる彩花を見て、心から満たされているのを感じた。
仕事の厳しさ、将来への不安、様々な束縛。その全てが、この離れの部屋の中では消え去り、ただの美優と彩花としての純粋な愛だけが存在していた。)
美優: 「……彩花。こんなに穏やかな気持ちになれるのは、世界で君と、この場所だけだ。この二日間で、私たちはもっともっと、強く結ばれよう・・・。」
彩花: (美優の太ももに顔を押し付けながら)
「はい、美優。私も、そう望んでいます。私たちにとって、この旅は義務ではなく、愛の誓いですから。」
(夕暮れの静けさが部屋を満たす中、二人はそっと手をつなぎ合い、互いの温もりを分かさ合った。夕食までの時間は、愛おしい静寂に包まれた。)




