到着
(コンパートメントの中、美優と彩花はしっかりと手をつなぎ、言葉を交わすよりも、お互いの存在の温もりを確かめ合う時間が増えていった。)
美優: 「……彩花。こんなに素晴らしい計画を立ててくれて、ありがとう。
もう、観光なんてどうでもいい。早く宿に着きたい。」
彩花: 「ふふっ、美優。私もですよ。本当は、車窓の景色でも見て『非番らしい旅』を楽しもうと思ってたのに、頭の中は『離れの露天風呂』でいっぱいです。私たち、こんなにも『早く隠れたい』って願う恋人同士も珍しいでしょうね。」
(旅の計画通り、列車は伊東駅に到着した。
予約していた店で、新鮮な海の幸が豪快に乗った海鮮丼を昼食で食べる二人。)
美優: 「美味しい! こんなに贅沢な海鮮丼、久しぶりだ。彩花、これだ、これ! このために頑張ったんだ!」
彩花: 「ええ! 私たちの『ご褒美』の味がしますね。
…さあ、食べるものは食べたし、観光はもういいでしょう。このまま旅館に直行しましょう!」
(二人は、食後の軽い散策だけを済ませ、一路、予約した旅館へと急いだ。)
・・・
午後2時。
旅館「海音の里」に到着した二人は、一番乗りでチェックインを済ませた。
通されたのは、静かな庭に面した露天風呂付きの離れだ。
彩花: (部屋の鍵を開けた瞬間、思わず声を上げる)
「わあ……! 美優、見て! すごい、本当に誰にも邪魔されない空間だわ!」
美優: (部屋の中を見渡し、満足げに頷く)
「素晴らしい……。まるで、私たちだけのために時間が止まったみたいだ。そして、あれが……」
(二人は目当ての露天風呂へと向かった。岩造りの湯船からは、湯気が立ち上り、木々の隙間から海が見える。完璧なプライベート空間だった。)
彩花: 「美優……! 予約が取れた時も嬉しかったけど、この目で見ると感動します! 本当に、誰の視線も、規律もない場所だ……!」
美優: 「ああ。もう、一秒たりとも無駄にできないな。彩花、着替えは後だ。行くぞ!」
彩花: 「はい!」




