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葛藤の上に花は咲く  作者: 優月


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17/89

打ち合わせの締めくくり

(旅行の計画を立て終え、一息ついた二人は、テーブルの上の資料を片付け始めている。

上村は再び巡査長としての顔に戻り、橋本に意地悪な笑みを向けた。)



上村美優: 「よし。計画は完璧だな、彩花。

…しかし、一点だけ、重要事項の確認が残っているぞ。」


橋本彩花: 「え、重要事項ですか?何か『書類の不備』でもありましたか?」


上村美優: 「いや、これは口頭での聴取だ。

(声を低くして)

・・・上村巡査長からの職務質問だと思って、正直に答えなさい。」


彩花は少し身構えた。


橋本彩花: 「え…は、はい。どうぞ。」


上村美優: 「旅の目的は、『二人の関係を深めること』だったな。では、質問する。

・・・『素の美優と彩花』に戻って、あの離れの部屋で、一番何をしたい? 正直に答えなさい。」


(橋本は顔を真っ赤にし、一瞬言葉に詰まる。

しかし、意図を理解し、上村の冗談に真面目に返すことにした。)


橋本彩花: 「……っ、バカ! 上村巡査長の職務質問はいつも意地悪ですね。

ええと……

私は…『露天風呂で、誰にも聞かれない声で、心の中の全部を打ち明けたい』…です。

日頃の愚痴も、そして……愛の言葉も、隠さずに、です。」


上村美優: (満足そうにニヤリと笑い)

「フム。『供述内容に矛盾なし』。了解した。その願い、必ず叶えてやろう。」


橋本彩花: 「もう! じゃあ、次は私の番です。私も、上村巡査長に職務質問させていただきます!」


上村美優: 「ほう。受けて立つぞ!」


橋本彩花: 「上村巡査長も、素の美優として、離れの部屋で一番何をしたいのですか…。

これは、私への誠実な義務ですよ。」


上村美優: (一瞬真面目な顔に戻り、真剣な眼差しで橋本を見つめる)

「…私が一番したいことは、『彩花が、この制服の重みから完全に解放されて、心から安らぐ姿を、一晩中隣で見ていたい』。そして、それを邪魔するものは、何もかも、この私が排除する。以上だ。」


橋本彩花: (感動で再び瞳を潤ませながら)

「美優……。ありがとうございます。その職務遂行は、最高のご褒美です。」


上村美優: 「よし、質問はこれにて終了だ。これ以上は、ここで話すのは危険すぎる。残りの『重要な供述』は、往きのコンパートメントで…二人きりの時にたっぷり聞かせてもらうことにしよう。」


橋本彩花: 「ふふっ、もちろんです。その供述調書は、私が責任をもって作成しますよ!」


(二人は目を見合わせ、秘密のやり取りに成功した高揚感と、来月の旅行への期待を込めて、顔いっぱいに笑みを浮かべた。)

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