打ち合わせの締めくくり
(旅行の計画を立て終え、一息ついた二人は、テーブルの上の資料を片付け始めている。
上村は再び巡査長としての顔に戻り、橋本に意地悪な笑みを向けた。)
上村美優: 「よし。計画は完璧だな、彩花。
…しかし、一点だけ、重要事項の確認が残っているぞ。」
橋本彩花: 「え、重要事項ですか?何か『書類の不備』でもありましたか?」
上村美優: 「いや、これは口頭での聴取だ。
(声を低くして)
・・・上村巡査長からの職務質問だと思って、正直に答えなさい。」
彩花は少し身構えた。
橋本彩花: 「え…は、はい。どうぞ。」
上村美優: 「旅の目的は、『二人の関係を深めること』だったな。では、質問する。
・・・『素の美優と彩花』に戻って、あの離れの部屋で、一番何をしたい? 正直に答えなさい。」
(橋本は顔を真っ赤にし、一瞬言葉に詰まる。
しかし、意図を理解し、上村の冗談に真面目に返すことにした。)
橋本彩花: 「……っ、バカ! 上村巡査長の職務質問はいつも意地悪ですね。
ええと……
私は…『露天風呂で、誰にも聞かれない声で、心の中の全部を打ち明けたい』…です。
日頃の愚痴も、そして……愛の言葉も、隠さずに、です。」
上村美優: (満足そうにニヤリと笑い)
「フム。『供述内容に矛盾なし』。了解した。その願い、必ず叶えてやろう。」
橋本彩花: 「もう! じゃあ、次は私の番です。私も、上村巡査長に職務質問させていただきます!」
上村美優: 「ほう。受けて立つぞ!」
橋本彩花: 「上村巡査長も、素の美優として、離れの部屋で一番何をしたいのですか…。
これは、私への誠実な義務ですよ。」
上村美優: (一瞬真面目な顔に戻り、真剣な眼差しで橋本を見つめる)
「…私が一番したいことは、『彩花が、この制服の重みから完全に解放されて、心から安らぐ姿を、一晩中隣で見ていたい』。そして、それを邪魔するものは、何もかも、この私が排除する。以上だ。」
橋本彩花: (感動で再び瞳を潤ませながら)
「美優……。ありがとうございます。その職務遂行は、最高のご褒美です。」
上村美優: 「よし、質問はこれにて終了だ。これ以上は、ここで話すのは危険すぎる。残りの『重要な供述』は、往きのコンパートメントで…二人きりの時にたっぷり聞かせてもらうことにしよう。」
橋本彩花: 「ふふっ、もちろんです。その供述調書は、私が責任をもって作成しますよ!」
(二人は目を見合わせ、秘密のやり取りに成功した高揚感と、来月の旅行への期待を込めて、顔いっぱいに笑みを浮かべた。)




