第5話 看病
病院で受付し診察を待っている間美和さんは辛そうだったが幸い例の流行り病では無かったので一安心できる。
「熱が上がったのかな少し身体が熱いね
寒く無いかい?」
「大丈夫ですサトルさん」
え?名前呼び……まあいいっか昨日やっちゃたし風邪移したし会社で呼ばなければ問題無い……
よね。
診察の結果疲労からくる熱だそうだ
彼女も無理をしていたんだな。
会計を終わらせて病院内のコンビニでスポーツドリンクやゼリーなど必要な物を購入して病院と隣接している薬局で指定された薬を買いタクシーで美和さんの部屋に向かう。
八階建のマンションの五階に部屋があるそうだ僕は美和さんを支えながらエレベーターに乗り込む。
「美和さん大丈夫ですか?もう少しで部屋に着きますからね」
「……わこ」
えっ?
「サトルさん三和子と呼んで下さい」
「え!」
「三和子です」
「あっ、はい!」
「今呼んで下さい!」
「えっ?三和子さん……」
「ふふふサトルさん……」
熱があるのに勝ち誇った笑顔の三和子さんだ。だがドアの前で必死に部屋の鍵を探す三和子さんは可愛いかった。
「じゃ僕はここで」
ビシッと片手を上げ踵を返すが三和子さんにガッチリと腕を掴まれた。
「駄目!病人はちゃんとベッドに寝かしつけないと駄目です!」
三和子さんの身体を支えながら部屋に入って行く僕達。
「ですよねーお邪魔します。うわー女性の一人暮らしの部屋に初めて入りました。あっ?御免なさい部屋の中マジマジと見てしまいました」
「サトルさんでしたら構いませんので気にせずに見て下さい」
「へ~部屋も綺麗に片付けられているね」
「当たり前ですいつサトルさんが訪ねて来てもいいようにしていますので」
えー!マジなんですか?少し悪寒がするのはまだ治り切っていないからか?
「はい!ありがとうございます?」
「ぷっ!何で疑問系なんですか?」
「さあ何ででしょう」
「そこの奥が寝室です」
若い女性の寝室……余計な物など見てはいけないぞサトル!そう自分に言い聞かせてドアを開けると至って普通でした。
白とかピンク系が多いかな女性と言うか女の子ぽい寝室だと思う。見た事ないけど……
ピンクの掛け布団を捲り三和子さんをベッドに寝せると僕は洗面所に行きタオルとバスタオルそして洗面器にお湯を入れてきた。
「三和子さん顔を拭きましょうか?」
ありがとうと目を瞑りアゴを少し上げるうわー!まつ毛長い、肌キレイ、顔小さい、スッピンでも美しいなんて僕には勿体ないよ!
な~んてねこれ以上進展する事も無いだろうしね親しくなっても友達だからね。
「失礼してお背中拭きますよね」
三和子さんのシャツをめくろうとすると。
「待ってください」
えっ?三和子さん服を脱ぎ出したよ!
そしてブラを外した。
「それではうなじの方から拭いていきますよ」
うなじ、肩、肩甲骨、背中、脇の下と進む。
「あっ、あ~あぁぁ」
その声止めて欲しいよ集中しないと不味いのに……
タオルを濯ぎ固く絞って後ろからそーっとタオルを三和子さんに渡す。
「サトルさん申し訳ありませんが前も拭いて下さる。熱で朦朧としてとても一人では拭けませんわ」
えー!突然難題なミッションが舞い込んで来た僕ピンチー!ミッションを失敗すると僕は死ぬ社会的に死んでしまう。
まずバスタオルを広げて寝かせた三和子さんに掛けてあげる。両腕を拭き取り肩と鎖骨を拭きタオルを濯いで絞りお腹周りを拭いてあげる。
いよいよ本丸に攻め込む事になった。
まだ拭いてもいないタオルを濯ぎまた絞る。
糞!僕も男だ三和子さんの下乳に手を伸ばしすと彼女はイキナリバスタオルを自身で剥ぎ取った。
「ひゃぁーっ!」
「何を驚いているのですか?昨日散々揉みしだいたり口に含んだりしていたんでないですか!」
そうでした。
「ほらここにサトルさんが付けたキスマーク右の乳房の内側ですよ」
「うわー御免なさい!彼氏さんに謝りますから!責任も取りますから許してください!」
「分かりました少し冷えて来ました早く拭いて下さい」
「はい!喜んで!あれ?」
昨日は熱があったからと言って簡単に流されて関係を持つなんて僕はどうかしていたんだろうか普段なら絶対有り得ないし部屋にも入れないと思う。はぁ、この先面倒な事にならなければいいけれど……
「……るさん……サトルさん!」
「えっ?はい!」
「サトルさん私の胸を拭きながら溜め息をつかないで下さい」
「あっ!ゴメン!ちよっと考え事をしてたようだ」
「胸を弄られながら溜息をつかれると私がまるっきり魅力がないみたいじゃないですか!」
少し怒っているのか?怒っているんだろうな。
「そんな事は無い君は魅力的だと思うよ
世間一般では美人の部類に入るんでしょ多分、分からないけど……」
あれ?評価低かったかな。
「ふう、難関突破、上が終わりました」
「では下もお願いしますサトルさん」
洗面器のお湯を取り替えて布団を捲り
下のパジャマを脱がして足から丁寧に拭いていく。
「サトルさん下着も脱がして拭いて下さい」
「えっ!」
「昨日沢山見てますよね今更ですよ」
「はい、分かりました……」
腰を浮かせて貰い両手で下げていくと
恥ずかしい程濡れていた。
「……」
「サトルさんお願い……」
なんとか三和子さんには満足して貰った。
「タンスの下から二番目の中にパジャマがありますので」
「あ、ここですね紺色のパジャマがありますこれですね」
「サトルさん着せて下さい」
パジャマを着せて三和子さんを寝かしつけ布団を掛けてあげる。
「三和子さん何か食べられますか?」
「いえ、無理そうです」
「ゼリーはどうです?薬を飲めば少しは楽になると思いますので」
「じゃ少しだけ……あ~ん」
「はいはい待って下さいね」
「それじゃこれを飲んで下さい」
僕はシートから錠剤を取り出して三和子さんの口に入れて水のペットボトルを渡した。
「僕は、一旦家にもどり会社に行きます
仕事が終わり次第またここに来ますので必要な物が有れば連絡くださいあ?ドアの鍵は出来ますか?」
「サトルさん合鍵が有りますのでそれを使って下さい」
「あ、はい」
三和子さんの合鍵持たされちゃったよ。
三和子さんを寝かしつけ施錠をして家に戻り僕は会社に向かった。
はぁ、なんか面倒くさい事に巻き込まれたかな?