第4話 急な発熱
美和さんとの会食を二日後に控えて僕はその日の夜になって熱を出した。
直前に熱を出すなんて完全に疑われるのに決まっているなので僕は美和さんにナインを送ったら、彼女から直ぐに電話がきて今に至る。
「ほら美和さんよく見てよ」
僕はリセットされた体温計をライブカメラで美和さんに見せるそしてパジャマを捲り体温計を脇に挟めだ。
スマホの向こうからキャッと声がした美和さんが片手で自分の目を覆っている何か見せてはいけない物をみせたのか?
あ、僕の乳首なのか?どこにそんな価値があるのだ不明だが美和さんの指の間から爛爛と光る目がスマホを凝視しているのが分かる。
ピピッ、僕は体温計を取り出して表示されたディスプレイを映し出した。
38.5度
「あーまだ熱高いや悪いけど週末の会食行けないやキャンセル代は僕が出すよ。これでも君の先輩だからね」
「神島さん!食事はとりました?薬は飲みました?飲み物はありますか?汗をかいて着替えましたか?それと、それと、ああー神島さんが心配だわ!」
早口で捲し立てる美和さん僕を心配してくれているのが良く分かるが力が入り過ぎでは?
「大丈夫だよ二、三日寝ていれば治るから
ありがとうね美和さん」
「ああ!駄目じっとしてられない!今から神島さんの所に行きます。必要な物も買って向かいますから!」
「駄目だよ暗く成ってから外に出たら危ないよ僕なら平気だからね大人しくしてて下さい!って通話が切れているわ!」
これ絶対来る奴だ僕の風邪移るだろう。
これ風邪だよな明日病院に行こう。
暫くしてウトウトしているとチャイムが鳴った。
「へっ?誰?あ、美和さんか今開けるから
待ってね」
僕はマスクをしてふらつきながらドアの鍵を開けると美和さんが飛び込んできた。
「神島さん!」
「いやぁ!美和さん本当に来たんだね大した事無いのに……」
「何を言ってます!神島さんフラフラじゃ無いですか!」
あら、怒られてしまったようです僕。
美和さんに抱き抱えられてベッドに寝かされオデコに熱を吸収するシートを貼られた。
「美和さんこの間も思ったけど今日も良い匂いがしますね」
なにを頓珍漢な事を言っているのだろう?
きっと熱のせいだ……
なっ!神島さんに抱きつきたいのをグッと我慢をして持参して来たのを冷蔵庫やキッチン、洗面所、ベッドの横の小さなテーブルに置いた。
「へへっ、歯磨きコップの中に彼の歯ブラシと私の歯ブラシ……まるで新婚さんだわ私達!
うひょ~!」
ニャ~!
「あっこの子がグレ子ちゃんね私三和子よ宜しくね」
ふーっ!
「あっ痛!酷い~グレ子ちゃん引っ掻くなんて駄目ですよ!」
ニャ~と奥に引っ込んだ猫のグレ子。
一通りのお世話が済んで一息つくと神島さんのパジャマが湿っぽいのに今更になって気づいた。
「神島さん汗でパジャマが濡れてます着替えますよ」
美和さんは洗面器にぬるま湯を持ってきてタオルをキツく絞り僕の上着を脱がせる。
私が身体を支えますと僕の後ろに座ってパジャマを脱がせる。
「神島さん凄い汗です」
美和さんが丁寧に僕の体を拭いてくれる
あれ?密着していない?ってブラして無いじゃんか!下は部屋着用の短パン!いつ着替えたの?
僕の体を舐め回すようにじっくりと拭く美和さん段々と息が荒く成って来ている
「美和さん!ありがとう後は一人で出来るからね。だからありがとうね」
「いえ、高熱で朦朧としているんです私が最後迄イカせてあげます!」
えっ?今イカせるって言わなかった!彼女。
「横になりますよ。次は下を拭きます
力を抜いて下さい神島さん!」
美和さんは僕の足元から布団を腰の辺りまで捲り足の先から丁寧に拭いてくれた。
「あっ!美和さんそこは拭かなくていいですから……」
「駄目です!ここは直ぐに汚れますから常に清潔にしておかないといけません!」
「美和さんの息遣いが荒くなっているんですけど大丈夫ですか?」
「気のせいです神島さん」
そうなのかと思っていたら美和さんダメー!
ああー!僕の男としての尊厳が……
これはきっと夢だ夢に違いないあの美和さんが僕を扱くなんてあり得ないからだ!
熱にやられて幻覚を見ているんだ僕は
コリャこの歳になってパンツを洗うのか……
「現実でした!」
美和さんは妖艶なサキュバスさんでした。
ファンタジーかよ!
「神島さんもう私……我慢が出来ません!
私が動きますから神島さんはそのまま立っててください!」
えっ!さっきから立っていますなんて冗談も言えない雰囲気で美和さんが迫って来る。
とうとう意図もないのに僕達は結ばれてしまったのだ。うっ!二人の声がかさなる。
えっ?この子こんなにビッチなの?
頭がぼーとする……美和さん……
美和さんは僕のマスクを外してキスをして来るが僕はそれを拒んだ。
「どうしたんですか?」
「御免なさいキスは出来ないんだ吐きそうになるから……」
神島さんは寂しそうにそう言った。
「神島さん……」
それでも僕は熱で可笑しく成っているんだろまた美和さんを求めてしまった。
「私は大好きな初めての人とは避妊しないと決めていたの……御免なさい弱っている神島さんを襲ってしまって……多分今じゃないと一生結ばれないと思ったから……」
「うん、多分そうなるよね僕も思うよ
けど良いのかい僕みたいなモブを相手にして君ならもっとカッコイイお金持ちと結婚も出来るんじゃないか?ああそうか!これは思い出作りなんだね君のお役に立てれば僕も嬉しいよ」
「違います!私は本気です!」
「まずシャワーを浴びておいでよ」
「一緒に入りましょう」
「えー狭いよ」
「それが良いんです」
はあ……僕は病人のはずだが……
当然また始まってしまう一線を越えると見境が無くなるって本当だな中に出しちゃったけど本当に大丈夫か?
よかったよ隣が空き部屋で美和さん見た目によらず声が大きいので手で塞ぎながらの行為で美和さんも満足してくれたようだ。
当然の如く二人で朝チュンを迎える。
こうして改めて見ると美和さんって本当に美人なんだよな……学生の時からずっとモテていたんだろう……でも夕べは初めてと言っていたけどどうなんだろう……イキナリ僕とするし……
まあ考えても分からない事は仕方がないか。
「あ!おはよーございます。神島さん」
「おはよー美和さん昨日はありがとうね色々世話を掛けてくれて助かったよ」
「えっ?お世話なんて……」
「あっ!その、下の方じゃなくて、なんて言うか……色々ありがとうございました!」
「ふふふ、元気になってくれて嬉しいです」
抱きついてくる美和さん貴方裸なんですから、あっ僕もだった。
「あれ、手の甲に引っ掻き傷があるよ」
「昨日グレ子ちゃんに嫌われたかも知れないですわ」
チョット残念そうな美和さんだ。
「そうなのゴメンねよく言い聞かせるよ」
「いいのよ仲良くなればいい事だから」
タップリと汗をかいたら熱も平熱まで下がったが、どうやら美和さんに移したようだ。
「今日は君が休んで僕は昼から出勤するから一緒に病院に行こう。夜には君の部屋にいくよ借りを返さないとね」
「ありがとうございます神島さん」
嬉しいそうに笑う美和さんは美しいと僕は思った。