03.真実の追求
まさかの一部抜けてました・・・
20xx/06/10 19:00
俺は少しだけ体の痛みを感じながら目を覚ました。
「目が覚めた?」
若い女性の声がした。
「ここわ?・・・いててて・・・」
「まだ起きない方がいいわ。スキルで回復はしたけどまだ万全ではないから」
俺は起こした体を戻し、その声の主を見る。予想通りあの中央にいた女だった。
長い黒髪を後ろで束ね、整った顔に男受けしそうな良い体をしていた。年は俺と同年代ぐらいか?とりあえず敵意は無さそうだと安堵し、情報収集に務めようと思った。直子のことが気になって、実際は腹の中は激しい怒りに叫びたくなっていたがその感情は抑え込む。
「で、どういった話が聞けるんだ?正直時間がおしい・・・」
「安心して。天音さんが無事よ」
「なっ!」
「監視を付けているから何かあったら保護するから。そこは安心してほしいわ」
「わかった・・・」
信用したわけではない。だが現状これがベストなのだと判断した。
「ここは阿久津くんが戦った小屋の地下、秘密のアジトってところかしらね。これでも100人以上の協力者がここいいるわ」
「なるほど。思ったよりデカイ組織だったようだな」
「そうよ。みんな志をもってここにいる。もちろんここ以外にも色々とね」
「俺たちの情報が洩れてるのもそういったことか?」
女はニッと口元を緩ませると小さくうなずいた。
「最初は精鋭を全面に出して、全力で迎撃しようとしたんだけどね。あなたの名前があったから・・・」
「どういう、ことだ?」
「あなたのおじい様・・・健吾さんは私の母と同じなのよ」
「じいちゃんが?同じってどういうことだ?」
どうして数年前に亡くなった祖父の話がでてくるのかと俺は混乱していた。
「健吾さんは亡くなったのよね?」
「あ、ああ。もう5年ぐらいになると思う。叔父からその時に聞いた。心不全だったと・・・実際かなりあってなかったからな。子供の時に良く会いに行って小遣いをせびっていた」
「そう・・・そう聞いているのね」
「それがどうしたって言うんだ!もったいぶらず早く言え!」
「分かったからそんなに怒らないでよ!・・・もっとも、この話を聞いたら別の怒りが出るでしょうけどね・・・」
俺はその勿体ぶったしゃべるにイライラを押さえながら舌打ちをした。
「あなたのおじ様は、事故で亡くなったのよ」
「えっ」
「事故・・・といって良いのか。殺人かもね」
「殺人だって!」
「そう。私の母も殺された!10年前にね!」
俺は頭の中で考える。じいちゃんは殺された?その女の母親も?一緒に?なぜ?
「最初のダンジョンができた八王子にあった研究所。そこにいたのよ。私の母、宮城和子とあなたのおじい様、阿久津健吾もね・・・」
「研究所?・・・あの、ダンジョンに飲まれたっていうあの研究所に?じいちゃんが?」
「そうよ。健吾さんは物理学の権威。世界でも名前が通っている有名人よ。それは知ってるでしょ?」
「し、しらん・・・」
俺の記憶の中でのじいちゃんは、いつもニコニコと俺のことを見ていただたのじいちゃんだ。たしかに実家は大きかったな・・・すごい人だったのか・・・
「とにかく!あの研究所では沢山の研究者たちが、国の依頼を受けてある研究をしていたの。ダンジョンの形成と独自進化する魔物、人間の能力を引き出すためのチップ・・・もうわかるでしょう・・・」
暫くだまって考える。
ダンジョンの形成?あれは人の手で作られたのか?進化する魔物?あと・・・能力チップか!じゃああの事故は全て人為的に作られたもの?事故?いやこの女は殺人と言った!であればあれは故意に起こされ、そして大勢が死んだ!そこにじいちゃんが居た。
「本当なんだろうな・・・」
「私は宮城由香里。母の残した日記データはあとで見せるわ。その後で・・・私たちの復讐に参加するか決めてちょーだい。一緒にくるなら、歓迎するわよ!」
「分かったよ」
俺は傷を癒すべくまた眠りについた。話が大きすぎてついていけない気がした・・・
次回更新 06/11 09:00
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