19.二人の生きる道
20xx/06/16 19:00
「よくよく調べたんだけど・・・まだ関係者は残ってるのよね・・・」
夕食を終えた俺たちに由香里がつぶやくように放った言葉に、三人はしっかりと反応していた。
「それは・・・許せないね」
「無傷のままなんて・・・いやねー」
「まあゆっくりジワジワ粛清していくってのもいいかもな」
にんまりと笑顔を見せた由香里は「じゃあまだまだよろしくってことで」と俺たちに飛び込んできた。
テーブルに置きっぱなしだった食器の一部が飛びちり、一瞬かたずけのことが脳裏によぎったが、まあいいか。と気持ちを切り替え、由香里の抱擁をするりと交わして別の席へと腰掛けた。
どうやらまだ黒瑪瑙の活動は続きそうだ。
◆◇◆◇◆
その後・・・
国民からの総攻撃を受けた政府は解散し、総選挙を経て若い議員を中心にかなりの入れ替えが行われた。
ほぼ総入れ替えとなった閣僚たちが、不慣れながらも国会で次々と法案を可決させていった。
古株の議員たちも身の潔白をアピールしつつ、ダンジョンについては、黒瑪瑙が記事内で提唱した安全で豊富に資源を採掘できるシステムへと生まれ変わらせることを柱とした政策が決まっていく。
ダンジョン関連で亡くなられた遺族たちについては、発生時にすでに受け取っていた災害補償とは別に、賠償という形で多額の年金が支払われるようになった。
当面の生活費どころか一生遊んで暮らせる程度の賠償を受け取った俺は、このままどっかにしけこんで自堕落な生活でもしようかと思ったのだが、それは背後でおれを優しく抱きしめる由香里が許さないだろう。
黒瑪瑙の情報網を使えば、何処へ逃げても絶対につかまってしまいそうだ。
「さて、今日はどこの悪党を締め上げてこようかしら!」
「まあ程々にな。ゆっくり真綿で首を締め上げるようにじらしてやればいいんだよ」
自分の首を絞め「ぎゃ」っとした顔をした俺をみて笑う三人。
まだまだこの戦いは続きそうだ。
-END-
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