15.戦闘開始
20xx/06/15 12:00
「そらよっと」
誰が聞いているでもない独り言を言いながら照明弾を投げ込む。
けたたましい大きな音と一緒に一瞬サングラス越しにもかなりの光量を感じて少し戸惑う。デカイ音が出るなら先に行ってほしかった。
ぐちりながらも俺は、サングラス越しに敵の様子を確認しながら、魔道石を操作してその武装兵たちの足を打ち抜いていった。
兵たちはすぐに大騒ぎをはじめ臨戦態勢を整えようとするのだが、次の瞬間には「いくよ!」という真澄の言葉と共に、再度照明弾は投げ込まれていった。
女性陣三人は飛び出し、小銃をいつもの用に乱射していた。
負けてなる物かと必死で魔道石を動かし、兵たちを無効化していく。
この三人が毎回本陣として敵に突っ込むにはやはり理由があるのだと実感した。
そもそもが死んでもやり遂げると自分を顧みない由香里。
ゲーマーであるため弾丸さえもよけきる反射神経を持つ真澄。
そして何より二人の前に立つ良子は【堅牢】を持っているため銃弾すら弾く体を持っている。その良子が大きな盾を持って前に立てば、それでもう二人の安全は保障されていた。
やはり最初にあった時は手加減されていたのか、それもと吉田のスキルが強力だったのか・・・おそらく前者であろうと予想していた。
そんなことを考えているうちに、兵士たちは倒れ込み手持ちの武器は破壊され、そして魔物は破壊の限りを尽くされていた。あっけない幕切れである。
「将司くん何ボーっとしてるの。行くわよ!」
「お、おう」
由香里に喝を入れられた俺、真澄には笑われていた。良子さんはなんかこう、舐めるように俺のことを見ていた。いつもその意図が読めず戸惑う。
厳重な扉に何かを張り付け離れる由香里。
まあ爆弾か何かであろうと想像して耳をふさぐ。
そしてけたたましい爆音と共にその扉は破壊された。
その穴を警戒しながらくぐると、中には3名のおっさんが、ぶるぶると体を寄せ合いながら震えていた。何かちょっときもい。
その金髪デブなおっさん達は何やら叫んでいた。
残念、俺に英語の際のはなかった。
「助けてーとか、俺のせいじゃないーとか言ってるよ」
意外にも真澄がそんなことを教えてくれた。若い子はすごいね。っと思っていたら、耳につけていたインカムを俺の耳にねじ込んだ。
こんな事でも少しドキッとしてしまう俺は、インカムから聞こえてくる機械的な日本語に納得した。同時翻訳というものだろう。
見苦しく喚き散らしながら抱き合おうおっさんズ。
どうやらこいつらはプロジェクトの立ち上げ当初、日本政府に圧力をかけるために動いた外交官たちらしい。そしてやはり全て指示していたのが、リチャード・ハウリトンであった。
この近くに自身の防衛拠点を作っているらしく、俺たちはぜひと伝えてほしいと伝言まで頼まれたようだ。まったく、凄い自信だ。
「もういいわ」
三人の眉間を打ち抜く由香里。それ以上の情報は見込めないと判断したのであろう。三人がもたらした情報はそれなりに役に立つ。特にハウリトンの活動拠点が近くにあるという情報は得れたので、もうそれだけで十分な成果だ。
あと一人・・・最後の時はもう目前に来ていた。
俺たちは施設を抜けると山田の車に乗り込んだ。さらなる追撃なども警戒していたがそれは無かった。それを喜ぶべきなのか、自信の表れなのか。警戒を強めた方がいいのか悩むところだ。
俺は、頭の中で考えを巡らせながらシートに体を預け目を閉じた。
そして即座に起こされる。
「ついたわよ」
発進してから約5分。クルマは停止し、目的地に着いたようだ。
「一度アジトまで戻らないのか?」
「大丈夫。今日はこの拠点で体を休めるわ!必要なものは他のメンバーが持ってくるし問題はないわ。明日の朝、また4人で乗り込んで全て終わらせる!」
「わかったよ」
そして小さな室内に案内され、そこでしばしの休息となった。
「いよいよ明日か・・・あっという間だったな」
次回更新 06/15 22:00
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