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14.米国

20xx/06/15 10:00

「よし!準備完了?」


そして初めて入るポータルに乗りながら、俺は疑っていた。


「本当にアメリカにもポータルがつながってるのかよ・・・国内にあるばかりかと思ってたんだが・・・」

「あら、ポータル技術はね、距離の概念は関係ないのよ。すべては、座標と媒介・・・さあ、行くわよ!」


そしていつもの浮遊感の後、新たな場所へと転移した。


「ここは?」

「バージニア州のうちの関連施設。さ、行くわよ!山田も待ってる」

「思たんだが、山田以外に運転手はいないのか?」

「バカねそんな訳ないでしょ」

「山田さん一番運転うまいから!【動体視力】半端ないからね!」

「そ、そうなんだ」


由香里と真澄の言葉をきいて、まあそういう事なのだろう。と納得していつものように車に乗り込んだ。


「こっからは1時間ほど移動するわ。その後は、いつものように突入よ!」

「突入って・・・大丈夫なのか?さすがにアメリカの軍事拠点だろ?」

「そろそろ作戦は始まるから大丈夫よ。外野は先発隊があらかた無力化しておく手はずになっているの。1時間あればかたずくでしょ」

「ゆうゆうと重役出勤だー!」

「ふふふ。じゃあ私は重役の秘書兼お妾さんかしら」

「いいわね。賛成」


俺は気楽にはしゃぐ女性陣を見て、本当に大丈夫なのか心配になった。

が、その心配は杞憂に終わったようで、現地では施設を取り囲みくつろいでいる黒瑪瑙(オニキス)の戦闘服を着こんだメンバーたちが居た。各々、たばこをすったり缶コーヒーを飲んだりと歓談しているようだった。


そして俺たちはクルマから降り、現地のメンバーに促されながら建物へと入っていった。


◆◇◆◇◆


「この先が目的の参謀指令室と呼ばれる場所です。ただ、武装兵士が全面の広いホールでバリケードを作っています。このまま私共で排除しましょうか?」


案内人となったメンバーは、いつでも突入できると息を巻いていた。


「駄目よ。無駄な犠牲は出さないように計画を練ったのよ。ここからは私たちに任せて」

「はい・・・ご武運を・・・」


メンバーは来た道をそのまま引き返していった。


「人海戦術で殴り込んだ方がよくないか?」

「だめよ・・・一人の犠牲もあってはならないの・・・私たち遺族は、黒瑪瑙(オニキス)メンバーたちは、全員被害者なのよ・・・」

「そうだな・・・」


普段は明るい由香里のその言葉に納得した俺は、覚悟を決めた。犠牲は出さない。それは横にいる三人も含めてだ。そう思い由香里の顔を見て小さくうなずいた。


「さて、どうするんだ?」

「これが照明弾。そしてこれが高性能な光源遮断装置・・・通称サングラスよ!」

「おい・・・まあいいだろう」


そういって照明弾とサングラスを受け取り、横を見るとすでに二人もサングラス姿で照明弾を持ちながら早く行こうと浮足立っていた。


「おい、二人も先走るなよ。まずは俺が照明弾を投げ込んで、無効化してからだ。何回かに分けで殲滅していけばいい」


頷く三人を見てから俺は通路の端まで足を進めた。

覗き込むとそこには確かにメカメカしい盾などを持つ集団が見えた。当然のように銃器を持ち、何やら魔物のようなロボットのようなものもいた。国仲からもらったファイルにあった、魔物の軍事転用の一例であろう。


思ったより多く、そして物々しいその警備体制に、さすが軍事大国、と納得はしたが止まるわけには行かない。そして俺はそっと照明弾をホールの中央に投げ入れた。

次回更新 06/15 12:00

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