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13.本部強襲

20xx/06/14 22:00

「結構でかいんだな・・・まあ国家予算がじゃぶじゃぶだから当然か」


都内の某所、いつものように山田の車から降りた俺は、目の前の巨大な建物を見つめていた。

建物はひとつだけではなく、いくつもの棟に分かれているようだ。


「あれがターゲットの本会議場。丁度ターゲットとなる幹部連中は全員集合してるわ」

「まあ、私たちの対策で緊急会議中ってことらしいよー。丁度いいよね。全部つぶして日本編はクリア完了ー!」

「ふふふ。全員血塗れにしてあげるわ・・・」


今日も三人は元気が有り余っている様子。俺と山田は、特に良子さんの言葉にドン引きした。まあ俺もぶっ殺しまくるのは決定事項なのだが・・・俺自身はあまり気持ちの良いものでもないことは自覚している。


「さて。行きましょうか!」


目指すは本会議場。俺は、入り口の玄関扉を力いっぱい足でぶち抜いた。


ドカっと大きな音がして、蹴られた扉はひしゃげて飛んでいく。この強化スーツには驚くことばかりだ。

自動で身体の動きに合わせて補助、強化してくれる。俺のスキル【空間把握】との相性もいい。すべての動きを把握して体を動かす元々の戦闘すたいるに、身体強化が加われば気分は無敵、と思ってしまう。少しだけな。


そんなことを考えならが、あらかじめ頭に入れたマップ通りに目的の部屋まで走る。途中で遭遇した一般人はスルーして、警備員は俺が魔道石で足を打ち抜かれるか、女性陣の持った小銃により同じように足を打ち抜かれていた。

途中で何人か武装した警備員もいたが、そちらも武器を破壊し、迎撃させてもらった。


「ここね」


由香里がその言葉と同時に足で扉を蹴飛ばした。


ドンっという音と共に扉は少しひしゃげたが、それよりも足を押さえてうずくまる由香里に噴き出してしまう。俺の真似でもしたかったのか・・・そう思いながら俺はまたそのひしゃげた扉を蹴り飛ばした。


「て、敵もなかなかやるわね・・・」


涙目の由香里を見ながら「そのようだな」と返しておいた。後ろで真澄の噴き出す声を聞こえた。せっかくの男の優しさを無にするなよ、と思って再び由香里を見ると、耳を赤くして下を向いていたので「いくぞ!」と声を掛けてごまかしてみた。


「この恨み!はらさでおくべきかー!」


由香里が近くにいた男たちの足元に向かい、小銃を乱射していた。さすが開発チームの便利アイテム。見た目は小銃でもかなりの数を吐き出していたが、まだ玉切れとはならないようだった。


当然のように入り口付近にいた護衛の二人は、真澄が【俊敏】をつかったローキックからの拘束と、良子の【堅牢】から繰り出す抑え込みで手足の骨は砕かれた。

俺は、この状況にも動じず、上座に座っている男を注意深く見ていた。


国仲寛治(くになかかんじ)。現ダンジョン対策研究所所長。10年前は防衛庁で補佐官をしていた男だ。そして当初からこの計画に参加していたようだと諜報部から聞いていた。


「まずは動かず聞いてくれ。俺たちは皆殺しにきたわけじゃない。ちゃんと話せば助かる奴もいるはずだ」


阿鼻叫喚の悲鳴が響く中、俺はその場の全員に向かって話し始めた。


「俺が、俺たちが知りたいのはただ一つ。10年前のダンジョン事件の真相だ。情報はあればあるほどいいんだがな」


その言葉を皮切りに、「俺は知らない」「俺はその時関わってない」「自分は見てることしかできなかった」・・・口々に無関係をアピールしていた。

その中で「国仲所長は全部しっている」「彼意外は後から事件の後にここに入ってきた」という情報が発せられた。

棟の国仲はピクリともせず、俺だけを見ていた。


「阿久津のじじいそっくりだな・・・」

「なにっ!」


国仲の発言に思わず声に力が入った俺は、拳を握る手に力が入ってしまう。


「じゃあそいつ以外は何も知らないってことでいいのか?」


俺の問いかけにまるでエサを与えられた犬のように、目を輝かせそれを肯定していく醜い男たち。


由香里たちは男たちを壁際にならばせる。そしてその男たちの足元を打ち抜いていった。阿鼻叫喚の酷い絵面だった。悲鳴と泣き声がこだまする会議場に警備の者たちが駆け付けたのはその頃であった。

俺は国仲に近づき、腕のひねりあげて拘束した後、警備の集団に声を掛けた。


「お前ら、そこのおっさんどもを連れ出して治療してやれ・・・早くしろ、死んでも知らんぞ!」


その言葉で撃たれていた男たちは騒ぎはじめ、警備隊に向かってはいずりながら近づく男もいた。そして全員がこの部屋から引きずられて出ていった。途中、国仲が全員でていっていいぞ」と声を掛けたため、警備のものもまとめてこの場を離れていった。


「どういうことだ?」


怪訝に思った俺は、国仲に質問をぶつけた。


「なぜ警備まで返した。もう敵わないと観念したか?」


沈黙が続く。


「俺はな。阿久津のじーさんを守れなかったんだよ」

「何をふざけたことを!」

「盟友・・・少なくとも俺はそう思ってたんだよ」

「どういうことだ・・・」


そして国仲は全てを話してくれた。


15年程前、30そこそこの国仲は、国の重要プロジェクトを任され期待に胸を膨らませて研究の調整役をしていたという。

その時、じーちゃん、阿久津健吾(あくつけんご)と知り合い、語り合い、このプロジェクトが成功したら日本はもっと豊かになる。そんな熱い夢を語っていたようだった。


しかし、研究が進むにつれ、その様子は変わっていく。

どうやら研究内容に幾分きな臭い要素が垣間見れた。全体を見て調整していた国仲は、じいちゃんに相談したという。

じいちゃんもその話に賛同し、そして当時のトップ、総理の中尾みどり・・・ではなく、アメリカ国防総省から出向してきていた、リチャード・ハウリトンに尋ねたのだった。


その口からは、「大丈夫」「心配ない」「これはアメリカも推し進める米日の、平和のための大切なプロジェクトなんだ」そういってその場は渋々あきらめたと。

これはもう何を言ってもだめなのか。他にも疑念を胸に研究を続ける研究員たちもかなりいたようだが、研究が終わるまでは家に帰せない。国家機密のプロジェクトだから・・・そう言われ研究に没頭したという。


そして、研究がひと段落、形が見えたところであの事故が起きた。いや、あの大量殺人事件が!と国仲は強い言葉で伝えようと口を震わせていた。


「俺はあの日は、政府からの呼び出しであの場を離れたんだよ・・・そして・・・」


そういった国仲の顔は、涙でぬれ、そして力なく目の前のテーブルに手を打ち付けた。


「これがこのプロジェクトの主要関係者の経歴と、現在の状況だ」


そういって一枚のSDカードを渡され・・・


「もう十分だ。終わらせてくれ・・・」


そういって目を閉じた。

躊躇した俺は、後ろを向いて「責任は生きてつぐなえ」そう口にした。

次の瞬間、銃弾の音が響き、振り向いた俺の目に幸せそうに眼と瞑りながら倒れていく国仲の姿が映った。手には拳銃が握られていた。


俺は向けようのない怒りをこらえ、その場を後にした。


「敵は・・・かならずつぶす!」

次回更新 06/15 10:00

お読みいただきありがとうございます。安ころもっちです。

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