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12.思い

20xx/06/14 16:00

「直子さんが実家に戻るようだと監視から報告があったわ」


由香里からのその報告を聞いた俺は、トレーニングの手を止めて「まだ監視してたのかよ」とため息をついた。


「一応ね。あと・・・草間淳史(くさまあつし)という総務省のエリート官僚と一緒にらしいわ・・・」

「まっ、強かなもんだな、女ってやつわ」


俺は、他の男に抱きしめられる直子の顔を、少しだけ思い出して体の動きを止めた。

ふいに由香里が後ろから抱きついてきた。


「おい、汗くせえだろ?やめとけやめとけって」

「私が慰めてやろー」


「ふふふ」と笑いながら巻き付いた手を離さない由香里。


「もう直子にそんな感情はないよ。まあ幸せになってくれとは思う。少しだけな」

「私じゃ・・・だめ?」


不意に真剣な声になった由香里に、俺は「まだ考えられんよ・・・すまんな」そう小さく答えた。


「あーあ。またフラれちゃった」

「今はこの・・・復讐を完遂させる!まずはそれからだ・・・」


俺から体を離した由香里は、両手を頭の後ろに組みならがトレーニングルームからゆっくりと出てこうとドアに手をかけ、そして振り向いた。


「あ、今晩、やつらの本部つぶすから!」

「おい!このタイミングでそんな大事なこと言うのかよ」

「10時には現着。トレーニングもほどほどにね」

「わかったよ」


背後にアメリカがあるのは分かっている。だが国内の拠点は絶対につぶす!全てを忘れるように、俺は体を動かし続けた。

次回更新 06/14 22:00

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