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11.次なる作戦

20xx/06/14 09:00

「逮捕者が出た」


朝起きて食堂で朝食を食べていた俺の隣に、カレーをもって不機嫌そうな真澄が座り、開口一番に告げた。


「どういうことだ?」


気になる真澄の一言に、俺は食事を止めて聞き入っていた。

どうやら昨日のネットサービスのメンテ祭りの後、各メンバーは拡散作業を継続していたようだ。

もっとも対策として特定ワードがかなり制限されており、抜け道を探りつつの拡散だったようだ。黒瑪瑙(オニキス)とは無関係のネットユーザーも負けじと拡散を繰り返していたのだが、その中から20名ほどの逮捕者がでたとのこと。


虚偽情報の流布という名目らしい。3名ほど黒瑪瑙(オニキス)のメンバーからも逮捕者が出たのだが、厳重注意を受けてすぐに開放されたらしい。しかしネットニュースに逮捕者の話は拡散され、以降パタリと投稿が止まってしまった。

逮捕者と聞いて躊躇したのであろう。


「まあいい。これではっきりと、物理でつぶす以外ないということが確信できただろ」

「そりゃそうだけどさ・・・」


不貞腐れる真澄を見ながら、目の前の食事の残りを胃に流し込んで食堂を出た。


◆◇◆◇◆


同刻


「じゃあ、お願いしますね」

「はいっ!かしこまりやっしたー!」


何とか自宅にあった荷物をかたずけ、引っ越し屋の車に両親と共に押し込めた直子。そしてそのトラックは、目的地である実家の大阪を目指して出発した。


「お疲れ様です!今日はありがとうね。淳史くん」

「いやー全然っすよ!俺と直子ちゃんの仲じゃ無いっすか!」


顔をデレデレとゆるませ、将司の元婚約者の直子に話しかけるのは、総務省のエリート官僚、草間淳史(くさまあつし)であった。

草間は、直子のサポートをするため、総務省から派遣されてきた官僚であった。所持スキルは【観察】という、周りや人の気持ちの変化などを読み取る能力を持っている。

嘘なども見分けることができ、交渉役にはぴったりな男であった。


「でも、本当にいいの?一緒に大阪まで来てくれるって・・・」

「もちろんっすよ!俺がちょっとお願いしたら大阪本部に総務本部長に任命されちゃったっすからね!なんなら部長クラスなら全国どこでもすぐにポータルでいけるっすから!問題ないっすよー!」

「ふふふ!ありがとう。大好き!」

「へへへ!照れるっすねー」


直子は、今度こそ幸せになってやる!そう思って草間を抱きしめる腕に力をこめた。

次回更新 06/14 16:00

お読みいただきありがとうございます。安ころもっちです。

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