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プロハンター その4

 数日の旅を経て王都に到着した隊商の馬車は、入場審査を終え都市内に入場する。


 そして都市内を倉庫のある区画に向って進み、目的の倉庫に到着すると停止した。


「これで仕事も一旦終わりだな」


 荷馬車の荷台から降りながらロイが言う。


「そうだな」


 王都は治安が良いから都市に入った時点で警護はもう終わったも同然だったが、目的地に着いた事で完全に終わったと言える。


 あくまで道中の警護だから明日はオフで、あとは明後日からの帰りの警護を残すのみ。


 もちろん今襲われるような事があれば手伝いはするが、本来それは倉庫の警備をしている人の仕事だ。


「しかし、今回は何も無かったな」


「そうだな」


 今回は本当に何も無く、隊商と一緒にラムールを出発して王都に行くというだけだった。


 もっとも、これは予想通りの結果とも言える。


 王都付近は治安が良く、特にラムールと王都という都市間の道中であれば害獣や野盗が出る事なんか滅多にない。


 とはいえギルドの隊商の場合、保険として護衛をつけるのが普通だ。


「護衛の方々はこれからギルドの宿泊施設に案内します。しかし、私どもはこの荷物を倉庫にしまわねばならないため、少々お待ちいただく事になります」


 待たされるのは嫌だけど、人員を裂いて宿泊施設に案内してくれとはさすがに言えない。


 何しろ俺たちは客ではなく雇われた護衛なのだから。


 しかしだだ待つのも暇だな……と思っていると――


「待つのも暇だし、良ければ俺たちも手伝おうか?」


「え? よろしいんですか?」


 ロイの提案に隊商の人は少し驚いた表情を見せたがそれならと、良いとも悪いとも返事をしていない俺たちにもテキパキと指示を出し始めた。


 そして作業開始から30分程度でほとんどの荷物は荷馬車から下ろされる。


 俺は荷台に残っていた最後の木箱を運び出し、置いてある木箱の上に重ねた。


「これで最後かな?」


「はい、ありがとうございました」


 検品をしていた隊商の青年が礼を言う。


「こっちも終わったぞ」


「わかった」


 レウたちが手伝っていた方の荷馬車も運び出しが終わったようだ。


「いやー、助かりましたよ」


「おかげで早く終わりました」


 隊商の代表はロイの手を握り謝意を表す。


「なに、今回は道中何もなかったし、これくらいはな」


「これから宿泊先にご案内しますが、手伝っていただいたお礼に、どうです? 少し早いかもしれませんが夕食でも」


 空は茜色に染まり始めているが、夕食には微妙に早いかもしれない。


 とはいえせっかくのお誘いだ、ここはご馳走になるとしよう。


 俺たちはアイコンタクトを取ると、全員軽く頷いた。


「俺たち結構食いますけど、大丈夫ですか?」


「ははは、お手柔らかに」


 ロイの発言に代表は一瞬たじろいだが、俺たちは常識の範囲内で食事をいただき、その後、宿泊先に案内された。




 案内された宿泊先は交易ギルドの施設。


 あまり広くない部屋にベッドが六つ置いてあるという、寝るためだけの場所といった感じの部屋だ。


 ベッドも質素であまり寝心地がよさそうではないが、何日も旅をしてきた身としてはベッドで寝られるというだけでありがたい。


「まだ早いし俺たちはちょっと一杯引っ掛けてくるが、お前らはどうする?」


「僕はもう動きたくない……」


 部屋に入ったとたんベッドに倒れこんだジグに出かける気力はなさそうだ。


 もっともジグ疲れたのは、旅よりさっきの荷降ろしのせいのような気もするが。


「アームはどうする?」


「そうだなぁ。俺は――」


『いずれは王都への移籍も考えねばならんだろう』


 不意にマスターの言っていた言葉が頭をよぎる。


「ちょっと王都のハンターギルドを見てこようと思う」


「そうか。明日がオフだからって羽目を外しすぎるなよ」


「そっちもな」


 こうしてジグを除く俺たちは夜の街に繰り出していった。

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