仲間の過去 その2
初めての長旅なのでやはり順風満帆とまでは行かない。
だが、ある程度の準備をしておいたおかげで大きな問題もなく小都市ラムールに到着する。
そしてレウたちは早速ハンターギルドに行きハンターになった。
自警団で害獣退治などの経験がある彼らもハンターとしてはずぶの素人。
ギルドマスターの薦めもあり、当面は別々のパーティに世話になる事を決める。
どんな仕事もそうであろうが未経験者は雑用から。
彼らもパーティの雑用から始める事になった。
だが、レウとロイは子供の頃から自警団に通っていたため、既に害獣との戦闘経験が豊富で下手なハンターよりも実力がある。
そのためすぐに一目置かれるようになり雑用から解放された。
だがメニは違う。
ハンターは主にフォースを使う戦士が多く魔術師は少ないため、魔術師と組んだ事があるハンターもあまり多くない。
メニが入ったパーティも例外ではなく魔術師と組むのは初めてだった。
魔術師の使う魔術は強力だが、味方に当たれば大怪我をさせるような危険なもの。
使える魔術の種類が少ない事もあり、メニはパーティの中でとても使いづらい存在となる。
こうして彼が戦闘に参加する事はまれとなり、雑用専門となっていった。
パーティにおける報酬の分配は、基本的にリーダーが活躍に応じて分配する方式を取る。
レウやロイは戦闘における貢献度が高く十分な報酬をもらえたが、雑用専門で戦闘に参加する事がほとんど無いメニは最低限しかもらえない。
そんな彼を不憫に思っていたレウたちは、全員がレベル2になったのをきっかけにパーティを離れ三人で組む事にした。
ギルドマスターや元のパーティメンバーは、その三人で組むのはまだ早いと忠告する。
だが、レウたちがメニの現状を気にかけていた事を知っていたので強くは言えず、メニのパーティメンバーは彼の扱いに困っていた事もあり反対しなかった。
こうしてレウたちは忠告を無視する形で三人で組む事にしたのだが――当然、順風満帆とは行かない。
レウとロイは自分が所属していたパーティのレベル3ハンターの実力を見て、自分たちはそれと同等以上の実力があると考えていた。
だから依頼も問題なくこなせるはずだと。
しかし依頼にはレベル制限があるものが多く、ほとんどの依頼はプロハンターと呼ばれるレベル3以上のハンターがパーティにいる必要がある。
そのためレベル2しかいないレウたちのパーティが受けられる依頼はほとんど無かった。
彼らは、結局必要なのは実力ではなく実績であるという事を痛感する。
受けられる依頼が減った事で収入が減り、更にレベル3に昇格するために稼がなくてはならない実績も稼ぎづらくなった。
そんな状況を打破すべく、彼らは禁じ手を使う事を決める。
依頼外で害獣を狩りその報奨金をもらうという行為。
通称害獣狩りだ。
都市指定の害獣を駆除すると、依頼がなくても報奨金がもらえレベル昇格の実績にも加算される。
本来この制度は依頼外で見かけた害獣を何の特にもならないとハンターが見て見ぬ振りをするのを防ぐためにあり、報酬も実績も同程度の依頼を受けたほうが圧倒的に高い。
だが受けられる依頼の数が少ない彼らにとっては魅力的なものだった。
この制度はそれを専門でやるようなハンターが現れる事を想定していない。
したがってそういう者が現れると色々と問題が起きる。
例えば他のハンターが依頼を受けて害獣を退治に行ったら既に倒されていたとか、依頼の害獣を追っていたらバッティングしたりするなど。
なのでそれを専門でやる事はマナー違反とされていた。
はっきりと文句を言うハンターも少なからずいたし、ギルドマスターからも控えるように注意されたが彼らはやめなかった。
どうせレベル3になればここを離れ王都に行く。
そうなればここのハンターともお別れだし少しでも早く王都に行きたいと思っていたから。
そんな事を繰り返し害獣狩りにもすっかり慣れていたある日、彼らは大きなミスをした。




