6、初めての試練
すいません、昨日はいろいろあって投稿できませんでした。今日はもう1話くらい投稿できそうです。頑張ります!
「これが・・・『試練の間』に続く扉・・・か」
俺は、目の前にある縦横だいたい2メートルくらいの観音開きの扉を見上げていた。
「そうです。さぁ、お入りなさい。貴方が試練を乗り越え帰って来るのを待っております。」
ナビゲーターはそう言い残してふっと姿を消した。今あるのは俺と扉だけだ。
「ちっ!わからない事ばかりだ。まぁこのままここにいても仕方ないか・・・教会に天職を授かりに来ただけなのにこんな大事になるなんてな、まったく!」
俺は愚痴りながらも意をけして扉に手をつきぐっと押した。扉はゆっくりとひらいていく。
扉を開くと真っ暗な空間が広がっていた。俺はそのまま真っ暗な空間に足を伸ばしていった。
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扉をくぐると草原が広がっていた。どうやらまた違う空間に移動したようだ。振り返ると扉はなかった。どうやら試練をクリアするまでは帰れないみたいだ。
「さて、俺はここで何をすればいいのか・・・」
まずは動くかと考えていると、
『汝に問う。我の姿が見えるか?我の声が聞こえるか?』
「・・・っ?何だ?どこから聞こえる?」
『汝に問う。我の姿が見えるか?我の声が聞こえるか?』
「声は聞こえるが姿は見えない。誰だ?何処にいる?」
『姿は見えぬか・・・姿が見えぬということは、汝はまだ万物を見渡す目はないということか。しかし声が聞こえているのならば・・・汝に問う。我の声を聞きし者よ!我の気配を感じるか?』
「気配?気配か。」
俺は精神を研ぎ澄まし周りの気配を探った。
「んっ?何だ何もないところに不思議な気配を感じる?」
『そうだ。その気配を感じ取れているのならば、我の姿を見ることが出来るであろう。汝の目だけでなく汝の持てる力を使い我を見つけるのだ。』
どういう事だ?目だけでなく持てる力を使う?俺の持てる力ってなんだ?目以外に何があるんだ?俺は考えた言葉の意味を、俺が持てる力、か。鍛えているとはいえまだ10才になったばかりだ。そんな俺に使える力となるとスキルくらいしか思い付かない。そしてこの場で使えるスキルとなると、
「『鑑定』!」
俺は気配を感じる場所に向けて鑑定を行った。
『無』
やっぱり何も変わらないか?俺はその辺りを鑑定しまくった。
『無』
『草』
『?』
『無』
ん?何だ?俺はそこだけいつもの表示と違う所を見つけた。『?』ってなんだ?こんな鑑定出たことないぞ?俺はその表示が出た所を良く見てみた。何かありそうなのはわかるんだが、やはり目では見えない。
『我は答える。汝は1つの事のみおこなっている。持てる力を使えと我は言ったはず。汝は気付きかけている。『鑑定』だけでは駄目なのだ。』
「『鑑定』だけでは駄目・・・そういうことか!他のスキルとの重ねがけか!ということなら・・・『鑑定』×『器用』!」
(『鑑定・微』と『器用・小』を重ねる事で一時的に『鑑定・中』となります。)
頭の中から声が聞こえた。
『鑑定・中』となった事で鑑定がより多くの情報を提示した。
試練の門番
試練以外のスキルが中以上でないと見ることが出来ない。
試練をクリアするとクリアした者に恩恵を授ける。
という文字が頭の中に入ってきて急に目の前に人形っぽい光輝く何かが現れた。
『汝、我を見つけ出した故に『試練』をクリアしたことを認める。この『試練』をクリアした事により、天職『※※※』を与える。』
そう言い残して人形はいっそう光輝きそして消えていった。
「おいっ!まだ聞きたいことが・・・ってもういないか。」
まったくせわしない。言いたいこと全部言ったらすぐ消えやがった。まぁでもスキルの新たな使い方もわかったしよしとしようかな。多分この流れ的にすぐ出口も出てくるだろうしな。と思いながら、辺りを見回すと扉が現れていた。
「やっぱりな。よしとりあえずここを出よう!」
そして俺は初めての試練とやらを乗り越えたのであった。