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異世界住人奴隷計画案内本  作者: けにゃタン
4/4

人が死ぬことに対する絶望感

著しく正気度が下がってしまった徳兵衛は狂ったように見知らぬ大地を走り回った。


「すばらしい!」

と一言試しに行ってみたが何が素晴らしいのか本人はわかってなかった。


その声につられてビルの隙間からゾロゾロとプルプルした人間が現れた。

凡そ10人くらいだろうか、プルプルした人間は徳兵衛を囲みはじめた。

「プルプルしましょう。プルプルしましょう。」

とつぶやきながら近づいてくる。


「逃げ場がない!チクッショー!後ろから来やがる!チクショー!」

と徳兵衛が怯え抵抗ができずに立ちすくんでいると

上空からふたりの男女が舞い降りてきた。


その姿はリクルート姿、いかにもサラリーマンという感じである。

ふたりは徳兵衛に手を差し伸べると

「大丈夫ですか?」

と声をかけた。

徳兵衛はふたりに問いかけた。

「大丈夫もなかろうに!貴様らは何者なんだ?どうして振ってきた。ここはどこだ?」

その質問に男が応える。

「ここは東京だ。まぁちょっと不祥事が起きてね。私たちはその清掃係というわけだ。

それと此処にいると危険だから詳しい話は署で話をするとして、とりあえず私たちの後ろについてなさい」

と言いって徳兵衛を守りの耐性にはいった。

「ちょっとまて!東京だと?俺は長野にいたはずなんだが・・。それと事務所に帰らないとログインボーナスがうけとれねぇ」

といい暴れまわった。

リクルート女が徳兵衛にそっと手錠をかけた。

「じっとっしてなさい。」

といったが徳兵衛は女性をにらみつけて威嚇した。

その途端、小奇麗だった女性は威嚇に耐えられなかったのか失禁してしまった。

そのやり取りしてる間、プルプルな人間は3人をさらに追い詰めた。


「おいおい!もう後がないぞ?」

と徳兵衛が二人に言ったが男性は

「大丈夫さ!私には之がある!」

といってプルプル人間に社員証を見せつけた。


神々しく光る社員証、其れを見たプルプル人間は平常人間へと戻っていった。

しかし、遠くから一人だけプルプルした人間があらわれた。

その人間は正常に戻った人間を又プルプルさせ始めた。

そして3人を襲い始めた。

「おい!またプルプルし始めたぞ!どうにかしろ!」

と徳兵衛がいったが

女性は望遠鏡を手に一人を覗きふたりに言った。

「あれは無理よ!ひとまず逃げましょう!」

男は言った。

「なぜだ?理由を言え!言うんだ!」

女性は青白い顔をして

「あれは、私たちには無理よ!だって、専務よ!専務なんて無理だわ!」

それに対して男も顔が青白くなった。

「専務だと!確かに無理だ!しかし、逃げ場がないぞ。誰かおとりになればいいのだが...。」

その一言に徳兵衛はひらき二人に言った。


「助かりたいんだろう?いい案がある!はよ手錠を外せ!」

男性は

「助かるんだよな?まぁいい、仕方ない。緊急を要するし外してやれ!」

というと女性が手錠を外した。


専務の取り巻きが獲物を探し近寄ってくる。


「じつはな!私は召喚できるのだよ!この本で!」

すると本に指を置き認証させて名前を浮かべさせた。


名前に飛鯛の名前が浮かびあがった。

”特殊召喚しますか?ただし、正気度が1減ります。”

と書かれてるが迷う無く指を置いた。


指を置くと本が光り、さらに目の前に巨大な魔法陣が出現した。


そこから壊れた飛鯛が出現した。


ふたりはその光景に驚き、女性は嘔吐し男性は茫然としていた。


「之が俺のバックドアさ!おい!奴隷!お前はここで朽ちろ!」

と徳兵衛が言い飛鯛の背中を蹴り飛ばした。


徳兵衛の脳内に飛鯛が呼びかけた。

「なんてことするんだ。そして、ここはどこだ!助けてくれ!」

といったが当然のごとく無視をした。


「さぁ!今の好きに逃げようぜ!」

と徳兵衛がいい二人と一緒にどこかに行こうとした。

男性と嘔吐女性が言いました。

「正気の沙汰じゃねぇぜ!初めてみたぜ!でも助かったぜ!ありがとう」

「私も助かったわ!」

徳兵衛は女性に対して

「汚ねぇから近寄るな!」

と言いつつ専務との距離がだいぶ離れたところで

「追加だぜ!俺の新スキル!見よ!」

と言い詠唱を開始した!

「メテオストーム!」

と唱えると上空から複数の隕石が舞い降りて専務や取り巻き、そして飛鯛を巻き込んだ。

目の前の商店街が焼け野原になり燃え盛った。

徳兵衛の脳内に

「熱い...。熱い...。どうしてこんな目に...。」

と声がして音声が途切れた。

その途端、本から魂が抜け落ちたかのように上空へと舞い上がった。

急いで徳兵衛が本を開いた。

本を開くと


”伊勢界 飛鯛は死亡しました。

そのデスペナルティとして受け継がれたスキルは全て消去いたします。

ただし、貴方の正気度を10減らすことにより維持することができます。

どうしますか?

Y/N ?”


徳兵衛は、之を使うと0になってしまうので仕方なくNを押した。

押すと名前が綺麗になくなり白紙にもどった。

「もったいないことしたが仕方ない。緊急だしな!

しかし、面白い!実に面白い!

これ召喚者が死ぬと戻るんだな。

二度も俺に殺されるとは愚かなものだ。」


しかし以前より正気が下がったせいなのか。

狂気さが上がっていくのが感じられてきた。


その光景をみた二人は男にもう一度手錠を掛けて連行することにしたが

「ちょっとまって!」

と女性が唐突に叫んだ。

「やっぱ専務は強いわ!さすがに炎耐性が異様に高いわ!

やっぱり社長が異常なまでの情熱を会社に注ぎそれをサポートしつづけてきただけある!

倒せないわ!あんなの...。無理だべ」


専務が取り巻きを増やしながら私たちをゆっくりと追いかけてきたが

3人は近場のコンビニに隠れてやり過ごすことに成功した。


そして、エナジードリンクを購入してレジへいくと

店員はエプロンを着たドラゴンだった。


「ヴォー!」

と雄たけびを上げながらバーコードスキャンをした。

何故か徳兵衛だけが正気度をさらに-1にされ

その光景をみて3人は急いで店からでた。

そして静かになった夜を迎えることになりました。


真っ暗になった夜に突如本が光りだし白紙のページに文字が浮かび上がった。


”大外刈 徳兵衛

現在の正気度9になります。

あと4減りますと危険水位になりますので神様に治療を受けてもらうことを推奨します。”

と書かれていた。


そして、徳兵衛は夜空にむけて

「長野の社長、クビつってしんでたけど。次どこと契約すればいいんだ」

と一言呟いた。


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