メイキング:ロッキーロードの矛盾
さいこさんの「自作メイキング公開」に便乗です。
解説にもなっていませんがお付き合い頂ければと思います。
こんばんは、煌泉と申します。
こってり味とスイーツ大好き、毎日だらだらダイエットです。
今回は、Twitterでお世話になっているさいこさんが面白いエッセイを投稿されており、また、他のユーザー様も投稿していらっしゃるので、私も続きたいと思います。
私が取り上げるのは、そのさいこさんと合作した小説の片割れ『ロッキーロードの矛盾』でございます。過去作品ですとわかりにくいかな、と思ったのと、個人的にキャラクターが気に入っています。勢いで書いたものなので、補完のようなものも入れながら解説? していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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この小説の投稿日は、バレンタインの少し前でした。だからと言ってロッキーロードを出したわけではありません。実はその時期に私の大好きなYouTubeチャンネルでロッキーロードのレシピ動画が上がっていました。その動画を見たとき、包丁でロッキーロードを切る音、噛むときっとむにむにするだろうマシュマロの食感、そしてタイトルを考えたときに語感がいいと思い、ロッキーロードをキーワードにしました。
『見ているだけでざくざくと聞こえそうな、
でも、それは踏みしめると、柔らかくて甘い匂いがする。』
これはロッキーロードの見た目と食感、香りを表す書き出しです。
『「忙しいんで手短に済ませてくれませんか? 御堂先生」
「あははっ! そんな怖い顔しないでよ☆ 日々頑張ってる看護師さんを労おうってだけなんだからさ~」』
登場人物は医師と看護師です。でも、ただの同僚ではなく高校時代の同級生で、さらに因縁の関係があります。
『この女が大嫌いだった。』
『御堂京香、俺の天敵。』
ライトノベルを読む方なら分かると思います。首無しライダーが登場する群像劇、池袋で壮絶な喧嘩を繰り広げる情報屋と自動喧嘩人形。登場人物を考える際に思い浮かんだのがこの池袋で24時間喧嘩してるコンビです。1人は引っ掻き回して楽しむ、もう1人は引っ掻き回されて怒りが爆発する。そんなコンビを作りたく思いました。なぜ男女なのかと言うと、これはマイノリティを無視してしまって申し訳ないですが、恋の予感を匂わせるためです。私は男サイドですので、女サイドも気になる方は『ロッキーロードの歪曲』(作者:さいこさん)で検索してみてください。学年首席と次席の関係は、さすがに男女で血を見る喧嘩をさせるわけにはいきませんので学力という形で争いを繰り広げるのがベターかな、と。
『2年の夏、期末テストで…………わけの分からない気持ちを抱えたまま1ヶ月過ごした。』
京香は本当に蓮二を称えています。でもよく考えてみてください。万年二位で、ようやっと一位を取ったやつが、ずっと一位を取り続けていたやつに「すごい」なんて言われても「はぁ?」って思いません?(笑) 勿論それもありますが、蓮二は京香に悔しがって欲しかったんです。蓮二自身はやっぱり京香を意識してたわけですから。
私はこの物語の後に過去篇を書きました。それが『星が見えない空と踏み切り』という小説です。これもいつかさいこさんと合作したく思っていますが、どうやらお忙しいようです……。ですので、書きどころを残すためにもあまり言わない方がいいかな、とも思ったりもしましたが、あくまで私の視点で解説させていただきます。
では、本題に戻ります。この二年の期末テストでの出来事で蓮二は悔しがらせるどころか自分が悔しい気持ちを抱えます。そして同時にこう思います。
「あぁ、俺がどうなろうと、コイツにとってはどうだっていいんだな」と。それが最後の一節に繋がっていきます。
京香が休んでからは、蓮二は繰り上がって学年首席になりますが、連絡を取る気にもなれず京香に何があったかは分からないままです。京香に対する気持ちも勿論あります。詳しくは過去篇をご覧ください。
そして2人は30歳。同じ病院で働いています。
蓮二が「ふーん、サンキュ」と言いながら素直にロッキーロードを受け取った理由は単に変な扱いをしたら京香が色々めんどくさいからです(笑)
『「あたしは必要なかった?」』
京香の台詞ですが、蓮二が進路を変えたときにずっと聞きたかったことだと思います。「あんなにギラギラした目で私を見ていたのに何で!?」って気持ちが京香にあったと思いますので。
『1つ口に入れて噛んでいると………チョコレートを砕いて、少しずつ飲み込んだ。 退勤してマンションに帰ると、俺は残りのチョコレートを捨てた。』
解説の都合上、本文とは違う文になっています。申し訳ありません。蓮二はロッキーロードを1つ食べて残りは捨てるという選択をしました。結構大事なシーンだろうに書いたときは何故食べたのか、何故残りは捨てたのか、全然考えていませんでした。今の私の中では興味本位で1つだけ食べたけど、その味に何かしら京香の想いを感じ取り、その想いを振り切るために捨てた、ということにしています。
『「それはお前だろうが」 俺がいらなかったのは、お前の方だ。』
先述した通り、二年の一学期末の出来事からずっと思っていることです。高校時代に味わってからずっと忘れられない蓮二の寂しさを表した一節になったかな、と個人的に思っています。
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……というわけで、私のメイキング公開は以上になります。結構キャラクターの設定にこだわって執筆していることが多いです。私の小説では濃いキャラが結構登場するので、「お気に入りのキャラクターがいる!」という読者様がいらっしゃれば大変うれしく思います。
拙いメイキング公開ではありましたが『ここがよくわからない!』『これじゃ足りないよ』という方は「ロッキーロードの矛盾」の感想欄や私のTwitterでご質問くだされば出来る限りお答え致します。
そして、私の作品とさいこさんの作品の違いの一つとして文体の違いも楽しめると思います。ぜひ読み比べてみてください。
お付き合いいただき、ありがとうございました!
これからも、キャラクター職人・煌泉をよろしくお願いします!
ありがとうございました。