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僕といた猫の話

猫と甘酒

作者: あおおに

寒い日には、思い出します。

 高校時代、冬のある日。

 僕は自分の部屋でくつろいでいた。

 

 畳の上でごろ寝をし、のんびりと小説を読んでいたのである。

 お腹の辺りには、ジュリという名の猫がぴったりとくっついて、丸くなっていた。

 大人のオスなのに、とても穏やかな性格の猫だ。

 猫の毛色による性格診断だと、赤茶のトラ猫はまさにそういう性格だそうである。

 その一点だけで、信じても良いと思ってしまう。


 そこにやって来たのは、我が母親。

 お盆に湯呑みを乗せてのご登場。

 熟睡していたジュリが目を覚まし、大きく伸びをし始めた。


 母親も、大が付く猫好き。

 伸びをするジュリを見ながら、畳の上にお盆を置き、自分も座り込む。

 お盆の湯呑みには、甘酒が入っていた。


 それを。


 ジュリが見た。


 その瞬間、僕にも母親にも、ジュリが勘違いをした事が分かってしまった。

 真っ白い甘酒を、真っ白い牛乳と。

 スタスタスタと、湯呑みに近寄っていくジュリ。


 しかし僕も母親も、それを止めようとはしなかった。

 2人とも、逆に息をひそめてしまう。

 ジュリの反応を見てみたかったのである。


 何の疑いもなく、ジュリは甘酒を一舐め。


「ぎゃおぅ!」と鳴いて、飛び上がった。


 穏やかなジュリが、そんな大きな声を出し、そんな激しいリアクションをしたのは、後にも先にもそれだけだ。


 猫はやはり猫舌なのだと実証された瞬間である。

 その後、母親と2人して、ジュリの機嫌を取るのには、かなり苦労しました。

 ごめんなさい、ジュリ。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 猫に何するですか!? ても、我が家で昔飼っていた黒猫(雌。大層気の強い猫でした)は鰹だしのきいた蕎麦つゆが大好きで、よく飲んでいたのです。でもある時、辛党の父が七味唐辛子をたんまり入れた蕎…
[良い点] 体験談でないと、思いつかない話ですよね。 [気になる点] 作品の作者の他の小説に、冒険者デピューが載っていないのが、残念ですよね。間に短編が、挟まると、代表作が、、、代表作が、、、。   …
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