表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

甘くなれない最後の一滴

寝れたのか寝れてないのかわからない。

身体が、ココロが、何かがだるい。

脳が眠たい。


それでも、機械的に支度をして学校へ向かう。


窮屈な電車で揺られる。


(いっそこのまま帰ってしまったら、楽だろうか。…まあ、ちゃんと行くけどさ。)


道中の気だるさは、校内でも継続らしい。授業は真面目に受けているつもりだが、わからない。


いつも通り宿題を持て余すほど課された帰り道。話が目を疑った。


(あ、   だ)

なぜ居るのかわからないほど、人気のないベンチで泣いている彼女の姿に胸が締め付けられた。同時に美しくも感じた。


勇気を持って声をかける。

「ど、う、した…の…?」

「あ、  。ちょっとね…。フラれちゃった。」

素直に言ってくれる程度には信用されているのか。

「話聞くよ。」

「…ありがとう。じゃあ、言っちゃおかな」


彼女の吐露は切なかった。仮にも片想いの相手の失恋話、振り振られた関係の相手に吐いてしまうほど頑張ったのだろう。


「…だいぶ楽になったよ。ありがとね。」

「うん。こちらこそ。俺で良ければいつでも聞くからね。」

「あはは。今の彼氏っぽーい」


「ごめんね。私はワガママで、こんなに話を聞いてもらっても、まだあの人が好き。」

「…うん。わかってる。」

「…応援してね。なんて、流石に言えないけど。でも私はアピールし続けようと思う。」

彼女の笑顔は眩しいほどに、眩しすぎるほどに真っ直ぐだった。


そして、、僕の心の何かが弾けた。

告白の衝動とか、そういった類いのものではない。むしろ、清々しさで充ち満ちている。


かつて好きだった人の笑顔をもう一度見ただけで、自分の中の全てが浄化されるなんて、漫画の世界だと思ってたけど。


前を向ける。

そんな気がした。

我ながら単細胞だと自嘲気味に嗤う。



『“明日が来る”んじゃなくてさ、


“自分が行く”んだ。 自由意思で選ぶ未知へ!』


クサイ台詞だと思う。でもその通りだ。


『大丈夫。大丈夫。』


もう一度大きな声で、


大丈夫❗


もう、これできっと前を向ける。


つまづくこともあるかもしれない。でもその度に乗り越えられる、それはまるで魔法。


この言葉で、自分を、誰かを支えて、支えられて


手探りで生きていくんだ。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

モヤモヤしたまま完結となった読者さんもいるかもしれませんが。それはそれで。


重ね重ねですが、読んでくださりありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ