2-12
「そういえば俺は職業が『村人』になっているけれど、二人の職業は何なの?」
特に深い意味も無く、何気なく聞いてみただけだったのだが、二人の表情が曇りだす。
「あ、いや。別にただ何となく聞いてみただけだから、気にしないで。何かいろいろ事情とかもあるだろうし」
二人の間で短いアイコンタクトが行われた後、意を決したようにラブルが口を開く。
「勇樹君に質問です。先ほど魔法を使いたいと言っていたけれど、勇樹君は冒険者として、戦いに身を投じる生活をしたいのかしら? もしも望むのであれば、商売で生計を立てる生き方もあるのだけれど」
「んー、出会ってから『転生』って言葉がよく出ているけど、俺は元々商売で生計を立てていたと思うんだ。だからって訳じゃないけど、せっかく二度目の人生なんだから、全然違う事をしたいんだ」
「それが危険な生き方でも? ある意味『村人』というのは、安全であり安定しているけど」
「あぁ、一度失った命なんだ。だったら開き直って、やりたい事をして生きたいし、今まで経験した事の無い冒険もしたい。それに、この世界で恋人だって作りたい。そのためにも、俺は強くなりたいんだ!」
まぁ最後の強くなりたい理由には、美玖ちゃんに呼ばれ難くなりたいという想いもあるが。
ただ、二人は俺が冒険者として生きる覚悟があると、認識してくれたようだ。
「なるほど。では、勇樹君の質問である、私たちの職業は何か。ですね」
「ボクは、武闘家だよー。レベルは42」
ティディの言うレベル42というのが、どれ程凄いのかわからないけれど、少なくとも村人レベル1とは比べ物にならないくらい強いのだろう。
「私は……宮廷魔術士レベル48」
「ふーん……って、宮廷!?」
「そう、宮廷。察しの通り、とある王国に仕える魔術士で、ある目的のためにティディを雇って旅をしています」
王国に仕える人が、無関係な俺にペラペラとこんな話をして良いのだろうか?
まぁ王国と言われても、そもそも俺はこの世界の情勢などを知らないから、何とも言えないのだが。
「で、勇樹君。私たちはある目的があって旅をしているの。全てを話す事は出来ないけれど、目的の一つに転生者の保護っていうのもあってね、もし勇樹君が良ければ一緒に来ない?」
「良いの? もちろん喜んで! いや、むしろお願いします」
なるほど。それで見ず知らずの俺に、こんなに親切にしてくれたのか。
だが例えそれが任務であったとしても、右も左も分からない異世界に放りだされた俺が親切にしてもらった事に変わりは無い。しかも美少女二人に。これは断る理由が見当たらない。
「ふふっ。じゃあ、改めてよろしくね」
「お兄さん、よろしくー!」
「よろしくっ!」
こうして俺は、転生してきた異世界でチートスキルを使ってハーレム作り! 改め、異世界での嫁探しという目的に、一歩近づいたのだった。
内容を微修正いたしました。




