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1話
今日も、 高野健一の何事もない平凡な一日で終わるはずだった。
健一の朝早い。
朝6時には、 けたたましく五月蝿い目覚ましが鳴り響く。
「んっ・・うる・・さい」
計5台にもなる目覚ましを、 順番に頭を叩くように順に停止させていき、 まだ覚醒していない頭を
無理やりに起こしてやっとの事でベッドから立ち上がる。 その後、 洗面台の前に立ち、 顔をまだ寒さが残る水を顔に当て頭を覚醒させ、 めんどくさいと思いつつも台所に立ち、 朝食を作る事を健一は毎日の日課としている。 健一の家族は、 家の事を全くなにもしない、 いや・・できないと言ってもいいダメ親父との二人暮らしである。