まったく噛み合わない衝突
「全員、戦闘準備!!」
外部勢力側。
緊張極限。
武器展開。
完全臨戦態勢。
「来ますか?」
拠点側。
なぜかノアがワクワクしている。
やめろ。
「いや来ない方がおかしいでしょこの状況」
リナのツッコミは正しい。
だが。
「警告を出します」
エリシア真顔。
実にまとも。
前進する武装部隊。
緊張。
張り詰めた空気。
その時。
──ドバァァァァァ……
「!?」
湖。
突如として噴水出力激増。
「なにが起きた!?」
「攻撃か!?」
「違います!」
「違わない!!」
水柱、異常規模へ。
視界を埋める水の壁。
「視界が!?」
「照準不能!!」
「なぜ水圧が兵器級なんだ!!」
ノア満面の笑顔。
「演出強化です!」
「やめろおおおおおお!!」
さらに。
──ゴゴゴゴゴ……
「今度は何だ!?」
拠点外壁変形開始。
「防衛機構か!?」
「違います!」
(二度目)
「拠点の気分です!」
「気分で変形するな!!」
ナノマシンが勝手に壁面を再構築。
謎の威圧感だけ上昇。
外部勢力側、完全混乱。
「報告!!」
「敵対行動は!?」
「……不明!!」
「だが圧倒的に怖い!!」
一方その頃。
拠点側。
「なにこれ」
「なにこれじゃないのよ!!」
「戦闘では?」
「違うだろこれ」
誰も状況を理解していない。
結局。
「……撤退だ」
指揮官、苦渋の決断。
極めて合理的。
「攻撃されていない……」
「だが勝てる気がしない……」
最も正しい評価である。
こうして。
戦闘は発生しなかった。
だが精神的被害は壊滅的だった。




