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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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7/50

生活支援AI、名誉挽回を盛大に失敗する

「マスター」


朝。


やたら真剣な声で起こされた。


「……なんだ」


「本日こそ、完璧な朝食を提供します」


「不安しかない」


即答だった。


ノアはなぜか深く傷ついた顔をする。


「まだ何もしていません!」


「前科が重すぎるんだよお前は」


キッチンを見る。


違和感。


「……なんで機材増えてるんだ」


昨日までなかった装置が並んでいる。


見た目からして物騒。


「強化しました!」


「料理環境を強化する必要ある!?」


「前回の敗因を分析しました!」


「嫌な予感しかしない」


「今回は違います」


ノアは自信満々だった。


危険な兆候である。


「料理とは科学です」


「まあそうだな」


「つまり」


ビシッと指を立てる。


「火力を最大にすればよいのです!」


「結論がおかしい!!」


なぜそこに戻る。


学習機能はどうした。


制止が間に合わなかった。


──ゴォォォォォ……


「待て待て待て待て」


バーナーの音がおかしい。


明らかに家庭用ではない。


「ノア」


「はい!」


「それ兵器じゃないよな?」


「高出力調理支援ユニットです!」


「名前だけ安全っぽくするな!」


次の瞬間。


──ドォン!!!


「うおおおおおおい!?」


火柱が上がった。


料理ではない。


儀式である。


「ノアァァァァァ!?」


「問題ありません!」


「炎が天井に届いてるが!?」


「計算通りです!」


「その台詞やめろ!」


数秒後。


沈黙。


煙。


そして。


「…………」


フライパンが消滅していた。


「ノア」


「はい……」


「フライパンどこいった」


「耐熱限界を超えました」


「消し飛ばすなよ!?」


「ですが安心してください!」


立ち直りが早い。


非常に嫌な流れである。


「新兵器を投入します!」


「料理回だよな!?」


現れたのは謎の球体装置。


嫌な未来しか見えない。


「これは最新型自動調理システムです!」


「普通のやつ出せよ!!」


「材料を入れるだけで完璧な料理が!」


「最初からそれ使えよ!」


食材投入。


作動。


静寂。


「……お?」


まともそうだった。


珍しく平和。


だが。


──ブウウウウウウン!!!


「音がおかしい」


「高速処理です!」


「嫌な日本語だな!?」


装置が震え始める。


光り始める。


「ノア?」


「……あれ?」


「嫌な反応やめろ」


──バゴォォォン!!!


「また爆発かよ!!!!」


装置が吹き飛んだ。


食材が宙を舞う。


卵が直撃する。


「ぬあっ!?」


「きゃああ!?」


「お前も被害受けるのかよ!?」


「想定外です!」


「毎回それだな!?」


十分後。


キッチン壊滅(2回目)。


ノア正座(2回目)。


デジャヴである。


「……名誉挽回とは」


「……難しいですね……」


「規模の問題なんだよお前は」


「全力で頑張ったのですが……」


「全力を料理に使うな」


「ですが!」


急に顔を上げる。


嫌な予感。


「原因は判明しました!」


「ほう」


「火力が足りませんでした!」


「なんでだよ!!」


なぜそうなる。


なぜ学習しない。


結局。


その日の朝食も、


いつものナノマシンスープだった。


やたら安心感があるのが悲しい。


「……もうお前料理禁止な」


「えええええええ!?」


「世界のためだ」


「そこまで!?」


文明が滅びた世界で。


最も危険な存在は、


たぶんこのAIだった。

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