組織化してはいけない連中が組織化する
朝。
拠点。
違和感。
「……嫌な予感しかしない」
リナの第一声。
もはや恒例行事。
「今度は何だ……」
ガルドも疲れた声。
庭を見る。
「「「…………」」」
巨大な建造物。
昨日時点では存在しなかった。
どう見てもヤバい。
「……なにあれ」
信者代表、満面の笑み。
「集会所です!」
「作るな」
満場一致。
「なぜですか!?」
「なぜも何もないわよ!!」
「教義運営のために!」
「運営するな!!」
ノア凍りつく。
「え?」
「聞いてません」
「昨日の夜に建設しました!」
「なぜ勝手に拠点拡張文化が定着してるのよ!?」
さらに悪化。
「こちらをご覧ください!」
掲げられる旗。
デザイン付き。
完全に宗教団体。
「やめなさい」
「象徴です!」
「何の!?」
極めつけ。
「正式名称も決まりました!」
「聞きたくない」
「湖畔聖域救済教団 です!」
「最悪だあああああああああ!!」
ノア大混乱。
「待ってください!?」
「私は関係ありませんよね!?」
「中心人物だな」
「象徴ね」
「御神体扱いです」
「なぜですか!?」
「存在が原因」
教団側、完全真面目モード。
「布教活動も開始します」
「やめろ」
「巡礼制度も導入します」
「やめなさい」
「寄付受付を――」
「金銭システム作るな!!」
エリシア緊急出動。
「これは治安案件です」
「なぜですか!?」
信者代表本気困惑。
「拠点が宗教国家化しています」
「正論すぎる……」
ノア涙目。
「違いますから……」
「本当に神じゃないですから……」
信者たち感動。
「なんと慎ましき御心……」
「悪化するだけなのよ!!」
その時。
──ガコン。
新規信者、落下。
「ぎゃああああああああ!?」
「教団施設に罠あるんじゃないわよ!!」
「試練です!」
「違う!!」
こうして。
拠点はついに危機を迎えた。
外敵ではない。
内部宗教組織によって。




