噂とは、もはや災害である
噂は止まらなかった。
むしろ。
加速していた。
「聞いたか?」
「あの湖の拠点」
「ああ……」
「また新情報だ」
「今度は何だ……」
「……旧文明の最終兵器らしい」
「「「は?」」」
尾ひれが限界突破していた。
別の場所。
「違うぞ」
「神の住処だ」
「方向性変わったな!?」
「いやマジだ」
「人型の使徒がいるらしい」
「どんどんヤバくなってない!?」
さらに。
「無限に建物が増える」
「傷が瞬時に治る」
「環境を書き換える」
「それもう伝説だろ……」
「噂じゃなく神話だろ……」
極めつけ。
「笑顔で災害を起こす美少女がいる」
「情報の最後だけ妙に具体的だな」
「一番信用できる部分だな……」
拠点。
「なんでそうなるのよ!!」
リナ絶叫。
「方向性が悪化しているな……」
ガルド真顔。
ノアはやたら誇らしげ。
「評価が上がっていますね!」
「違う」
「違うわね」
「違うな」
「神扱いされてるのよ!!」
「問題ありません!」
「一番問題なのよ!!」
モニター投影。
外部通信傍受。
✔ 絶対不可侵領域
✔ 触れてはいけない聖域
✔ 災厄の拠点
✔ 神造兵器保有地(誤解)
「悪化してない?」
「悪化してるな」
「悪化してるわね」
エリシアが真顔で呟く。
「……我々、何もしていませんよね?」
全員沈黙。
そして。
ゆっくりとノアを見る。
「えっ」
「主原因だな」
「主原因ね」
「主原因です」
「なぜですか!?」
「全部だよ!!」
その時。
──ガコン。
新来訪者、落下。
「ぎゃあああああああ!?」
「だから穴を作るなあああああ!!」
ノア弁明。
「旧式です!」
「噂の原因それだよ!!」
世界のどこかで。
誰かが静かに呟いた。
「……やはり危険拠点……」
非常に正しい評価である。




