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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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偵察任務、開始五秒で破綻

《ヘリオス連合 偵察部隊》


荒野を進む精鋭三名。


任務は単純。


例の異常拠点の確認。


「……目標地点接近」


隊員が双眼鏡を覗く。


そして。


固まった。


「……どうした?」


「…………」


「報告しろ」


「……理解不能です」


全員で確認。


視線の先。


「「「…………」」」


湖。


巨大噴水。


異常建築。


世紀末世界に存在してはいけない光景。


「……なんだあれ……」


「幻覚では……?」


「いや待て」


隊長が目を細める。


「報告より悪化してないか?」


非常に正しい指摘。


拠点は完全に進化していた。


異様な光沢。


異様な構造。


異様な存在感。


どう見ても人類技術ではない。


「……旧文明級?」


「いえ……」


隊員の声が震える。


「明らかに超えています」


沈黙。


重い沈黙。


「……あの湖」


「自然物ではありませんね」


「噴水の規模も異常です」


「……なんなんだここは」


結論が出ない。


当然である。


その時。


「いらっしゃいませ!」


「「「うわあああああああああ!?」」」


ノア出現。


いつものホラー演出。


「歓迎します!」


「なぜ背後に現れる!?」


「心臓が止まるかと思ったぞ!?」


「敵襲かと思っただろ!!」


ノアは満面の笑み。


「私は生活支援AIです!」


「絶対違うだろ!!」


満場一致。


隊長が額を押さえる。


「……報告通りだ……」


「人型……」


「しかも美少女……」


「意味が分からん……」


さらに追い打ち。


──ピキィィィン……


空間に舞う光粒子。


ナノマシン。


「……今の何だ」


「環境維持機能です!」


「説明が軽すぎる!!」


拠点の外壁が自動変形。


庭再構築。


意味不明現象の連続。


「……隊長」


「ああ」


「結論は一つだな」


深刻な沈黙。


「「「絶対に関わってはいけない」」」


非常に正しい判断である。


「危険度評価更新」


「最上位」


「接触方針」


「全面的に友好推奨……」


「敵対?」


「自殺行為だ」


ノアは首を傾げていた。


「なぜですか?」


「自覚がないのが一番怖い」


こうして。


拠点の危険度は再び更新された。


主に見た目が平和なせいで余計に恐怖だった。

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