最上位護衛官、家事任務を命じられる
「手伝います」
エリシアが真顔で言った。
朝の拠点。
平和な光景。
だが発言が異常。
「……何を?」
リナが警戒する。
当然である。
「日常業務です」
「言い方が物騒なのよ」
「任務として遂行します」
「家事を戦闘ノリで言うな」
ノアが目を輝かせる。
最悪の兆候。
「共同作業ですね!」
「やめなさい」
リナ即阻止。
「問題ありません」
エリシアは非常に真剣だった。
「私はあらゆる環境に適応可能です」
「方向性がおかしい」
そして始まった。
拠点家事イベント。
■ 洗濯
「……なぜ衣類を回転させるのですか」
「洗濯機だからな」
「遠心分離……?」
「ただの洗浄よ」
「合理的ですね……」
「納得するポイントそこ!?」
数秒後。
──ゴォォォォォ!!
「速すぎる!!」
洗濯機超高速化。
「最大出力にしました」
「なんでよ!!」
「汚れ殲滅効率を重視」
「殲滅言うな!!」
■ 掃除
「床面制圧を開始します」
「掃除よね!?」
ノア乱入。
「高出力モードを!」
「やめなさい!!」
──ゴォォォ!!
「風圧で掃除するなああああ!!」
「効率的です!」
「家具が逃げてるのよ!!」
■ 料理(最悪)
「食事任務も遂行します」
「やめろ」
全員即答。
「問題ありません」
「一番信用できない台詞来たわね……」
ノア参戦。
地獄確定。
──ボンッ!!
「やっぱりいいいいいい!!」
煙。
焦げ。
戦場再現。
「なぜ爆発が……」
「こっちが聞きたいわよ!!」
だが。
ここで異変。
「……理解しました」
エリシアが静かに呟く。
「この拠点の家事は」
一拍。
「通常戦闘より難易度が高い」
「違う」
「違うわね」
「違うな」
「えっ」
こうして。
最上位護衛官の評価が更新された。
拠点日常=最難関任務。
ノアは満面の笑み。
「日常制圧完了ですね!」
「被害しか出てないのよ!!」
拠点は今日も平和だった。
基準だけが崩壊していた。




