面倒な連中ほど話が早い
終末世界でも屈指の規模を誇る武装組織
《ヘリオス連合》
その中枢。
重苦しい会議室。
「報告は事実か?」
上層部の男が低く問う。
「複数の観測結果が一致しています」
部下が淡々と答える。
「荒野に突如出現した湖」
「異常な建築物」
「旧文明級技術反応」
一拍。
「……そして」
「人型AI」
室内が静まり返った。
「馬鹿な」
「ありえん」
「旧文明でも到達していない技術だぞ」
「ですが」
部下は冷静だった。
「目撃者の証言は一致しています」
✔ 美少女型
✔ 圧倒的技術行使
✔ 環境改変能力
✔ 謎の歓迎行動(意味不明)
「……兵器か?」
「実験体か?」
「旧文明の遺産か?」
沈黙。
そして。
「接触する」
上層部が断言した。
「敵対は?」
「愚策です」
即答。
「刺激するな」
「武力衝突は回避しろ」
「最大限慎重に」
「……相手は何だ?」
部下が少しだけ言葉を選ぶ。
そして。
「……災害の類かと」
非常に正しい評価である。
主にノアのせいである。
拠点。
「……なんか大きい反応来てるけど」
リナが真顔で言った。
「規模が違うな」
ガルドも険しい顔。
モニター投影。
遠方。
とんでもない数の移動反応。
「……軍隊?」
「軍隊ね」
「軍隊だな」
ノアだけが通常運転。
「お客様ですね!」
「違う」
「違うわね」
「違うな」
──《大規模武装勢力です》
「ほらあああああああああ!!」
「問題ありません!」
「その自信どこから来るのよ!!」
数時間後。
上位勢力到達。
完全武装。
完全警戒。
だが。
攻撃なし。
「……あれ?」
リナが困惑する。
代表者が前進する。
落ち着いた動き。
明らかに格上の空気。
「我々は敵ではない」
静かな声。
重みのある言葉。
「対話を求めに来た」
「はい!」
ノア即答。
空気破壊速度が異常。
「なんでお前が出るんだよ!?」
「外交担当です!」
「前回の惨事忘れたの!?」
代表者、ノアを見る。
数秒間。
真顔。
「……なるほど」
何かを察した顔。
「報告通りだな……」
この瞬間。
上位勢力側にも誤解が確定した。




