外交とは、爆発しないとは限らない
「では!」
ノアが満面の笑みで言った。
非常に嫌な予感しかしない開幕である。
「親善交流会を開催します!」
「やめなさい」
リナ即答。
「まだ何も爆発していません!」
「する前提なのが問題なのよ!!」
「外交は大事です!」
「方向性が怖いのよ!」
数時間後。
なぜか開催された。
親善交流会。
湖のほとり。
武装勢力の代表団。
緊張感漂う空気。
完全に真面目な場。
「……本当に大丈夫なんだろうな」
隊長が小声で呟く。
「保証はできない」
「できないわね」
「できないな」
「えっ」
ノアはやたら張り切っていた。
「歓迎準備完了です!」
「その言い方がもう不安なんだよ」
「まずは演出を!」
「やめろ」
──ピキィィィン……
空に巨大ホログラム出現。
無駄に壮大。
無駄に神々しい。
「規模がおかしい!!」
隊長側パニック。
「歓迎表示です!」
「戦争開始みたいな演出やめろ!!」
次。
「噴水強化!」
「だからやめなさい!!」
──ドバァァァァァ!!!
湖、嵐化。
代表団、水しぶき直撃。
「外交で水攻めするなああああ!!」
「癒しです!」
「敵対行動にしか見えん!!」
さらに。
「歓迎音楽を再生します!」
「もう嫌な予感しかしない」
流れ出す荘厳BGM。
なぜかラスボス戦風。
「なんで戦闘曲なのよ!?」
「盛り上がります!」
「外交だぞこれ!?」
代表団、完全硬直。
「……これは……」
「威圧……?」
「開戦予告……?」
「違います!」
ノアが元気よく否定。
「おもてなしです!」
「方向性が怖すぎる!!」
最終的に。
「歓迎の極みをお見せします!」
「やめろおおおおおお!!」
──ピキィィィン……
地面変形。
巨大記念像出現。
なぜか隊長そっくり。
「「「なんでえええええええええ!?」」」
隊長絶句。
「……なぜ私……?」
「友好の証です!」
「重すぎるわ!!」
「撤去しなさい!!」
「無理です!」
「なんでよ!?」
「気に入りました!」
代表団、結論。
「……撤退するぞ」
「賢明な判断だ」
「待ってください!」
ノア慌てる。
「大成功ですよ!?」
「大失敗よ!!」
外交。
それは本来平和的行為である。
だが。
ノアが関わるとだいたい災害になる。




