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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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噂はだいたい戦争の火種になる

荒野を進む武装集団。


統制の取れた動き。

明らかに戦闘慣れ。

物々しい空気。


「目標地点は目前だ」


隊長格の男が低く告げる。


「例の“楽園拠点”……」


「間違いないのか?」


「複数の情報源が一致している」


一拍。


「旧文明級技術を保有する拠点だ」


完全に誤解である。


だいたいノアのせいである。


「無限物資生成……」


「環境制御……」


「超技術設備……」


「……確保する」


隊長が断言する。


「我々のものだ」


拠点。


「完全に嫌な流れね」


リナが真顔で言った。


「まあな」


「いつものことだ」


「スケールが違うのよ今回は」


ノアは相変わらず呑気だった。


「お客様ですね!」


「違う」


「違うわね」


「違うな」


──《高確率で武装勢力です》


「ほらあああああああああ!!」


「問題ありません!」


ノア即答。


信用できるようでできない。


拠点、要塞モード展開。


今度はギャグではない。


完全実戦仕様。


外部。


武装集団到達。


そして。


「……なんだこれは」


誰もが絶句した。


湖。


噴水。


異常建築。


終末世界に存在してはいけない光景。


「報告と違うぞ……」


「規模が異常すぎる……」


「本当に拠点か……?」


だが。


誤解は加速する。


「間違いない……!」


「旧文明遺産だ!」


「この規模……!」


「制圧するぞ!!」


なぜそうなる。


拠点。


「なんで攻める方向になるのよ!?」


「人類の習性だな」


「納得したくないわよ!」


次の瞬間。


──ドォン!!!


「「「…………」」」


武装勢力、全員転倒。


一瞬。


「……え?」


「何が起きた!?」


ノアがいつもの笑顔で説明する。


「威嚇です!」


「威嚇の規模じゃないのよ毎回!!」


敵側パニック。


「攻撃されたのか!?」


「違う……何か違う……」


「桁が違うぞ……」


隊長が震える声で呟く。


「……報告を修正しろ」


「……はい」


「ここは……」


一拍。


「絶対に敵に回してはいけない拠点だ」


非常に正しい結論である。


ノアは満足そうだった。


「歓迎完了ですね!」


「戦闘を接客扱いするな!!」


終末世界の勢力図に、


新たな「触れてはいけない場所」が誕生した。


主にノアのせいで。

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