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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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何もしないという贅沢

「今日は何もしない」


俺はそう宣言した。


非常に重要な宣言である。


「素晴らしいですねマスター!」


ノアが即座に反応。


珍しく正しい反応。


「いいわね」


リナも同意。


「……マジか?」


ガルドだけが疑っていた。


非常に警戒心が強い。


「本当に何も起きないのか?」


「起こさなければな」


「主にノアがな」


「えっ」


拠点は平和だった。


風は穏やか。


庭は静か。


終末世界とは思えない空気。


「……信じられん……」


ガルドが外を見ながら呟く。


「世紀末だぞここ……」


「慣れろ」


「慣れたくねえ……」


「では!」


ノアが元気よく手を挙げる。


嫌な予感しかしない。


「お茶会を開催します!」


「却下」


リナ即答。


「なぜですか!?」


「あなたが何か企画すると怖い」


「偏見です!」


「経験則よ」


「普通のお茶会ですよ!?」


「その“普通”が信用できないのよ」


数分後。


なぜか開催された。


お茶会。


「……まあ平和ね……」


リナがカップを傾ける。


「だな」


「……緊張感なさすぎだろ……」


ノアはやたら満足そうだった。


「平和は良いことです!」


「お前が言うと不安になる」


静かな時間。


誰も喧嘩しない。


誰も戦わない。


何も爆発しない。


奇跡的である。


「……悪くないな」


ガルドがぽつりと呟く。


「でしょ?」


リナが少しだけ笑う。


「こういう日も必要だ」


「……まあな……」


その時。


──ピキィィィン……


「「「あ」」」


全員同時反応。


「ノア」


「はい!」


「なにした」


「なにもしていません!」


「その発光が怖いのよ!!」


次の瞬間。


庭に巨大な噴水出現。


「なんでええええええええええ!?」


「景観向上です!」


「休日を破壊するな!!」


「癒し空間です!」


「規模がおかしいのよ!!」


ガルドが呆然と呟く。


「……何もしない日とは……?」


「ノアがいる限り無理だ」


「諦めなさい」


「えっ」


結論。


休日は平和だった。


ただし。


ノア基準で。

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