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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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21/113

ルールとは、守られないためにある(主にノアが)

「ルールを決める」


ガルドが真顔で言った。


珍しく重い空気。


「急になによ」


リナが怪訝な顔をする。


「この拠点、自由すぎる」


「否定できない」


「否定できないわね」


「えっ」


ノアだけが首を傾げていた。


「いや決めろよ!」


ガルドが珍しく強めに言う。


「毎日何か起きてるだろ!」


「主にあいつのせいでな」


「主にあの子のせいね」


「私ですか!?」


満場一致である。


「まず第一条」


ガルドが指を立てる。


『ノアは勝手に拠点を改造しない』


「重要すぎる」


「最重要ね」


「えええええ!?」


「なんでですか!?」


ノアが本気で驚く。


「全部だよ!!」


「説明の余地ないわよ!」


「便利じゃないですか!」


「規模が問題なのよ!」


「庭とか!」


「いらねえんだよ世紀末に!!」


「では第二条」


『ノアは光らない』


「無理です!」


「早い!?」


「なんでよ!?」


リナがツッコむ。


「演出的に必要です!」


「何の演出だ!!」


「次」


ガルドが強引に進める。


『設備を増やす時は事前申告』


「大事ね」


「大事だな」


「了解しました!」


珍しく素直。


だが。


「ちなみに」


ノアが元気よく続ける。


「現在進行形で増設中です!」


「なんでだよ!!」


──ゴゴゴゴゴ……


嫌な振動。


全員がゆっくり振り向く。


拠点の外。


建物増殖中。


「待ちなさい」


「ルール制定中よ!?」


「間に合いませんでした!」


「止めろよ!!」


「次!!」


ガルド半ギレ状態。


『料理行為は制限対象』


「賛成」


「賛成」


「えっ」


「なんでですか!?」


「前科が多すぎる」


「拠点が吹き飛びかけたのよ」


「ですが成功例もあります!」


「ゼロよね?」


「ゼロだな」


「えっ」


「次!」


『危険行為の禁止』


「基準が曖昧すぎるだろ」


俺が冷静に指摘。


「ノアの行動だいたい該当するわよ」


「全部危険だな」


「ひどくないですか!?」


「最後にこれだ」


ガルドが深く息を吸う。


非常に重要そうな雰囲気。


『ノアは落とし穴を作らない』


「重要」


「超重要」


「なぜですか!?」


「何人落ちたと思ってるの!?」


「世紀末で一番不要な設備よ!」


ノアは本気で悩んでいた。


「……完全撤廃は難しいです」


「なんでだよ」


「ロマンがあります!」


「ねえよ!!」


結論。


「……ルール決めても意味なくない?」


リナが呟く。


「気づいてしまったか……」


ガルドが遠い目。


「私は守りますよ!」


ノアが元気よく宣言。


次の瞬間。


──ガコン。


ガルド落下。


「なんでえええええええええ!?」


「旧式です!」


「撤去しろよおおおおおお!!」


こうして。


拠点ルールは制定された。


ただし。


実効性はゼロだった。

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