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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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21/35

ルールとは、守られないためにある(主にノアが)

「ルールを決める」


ガルドが真顔で言った。


珍しく重い空気。


「急になによ」


リナが怪訝な顔をする。


「この拠点、自由すぎる」


「否定できない」


「否定できないわね」


「えっ」


ノアだけが首を傾げていた。


「いや決めろよ!」


ガルドが珍しく強めに言う。


「毎日何か起きてるだろ!」


「主にあいつのせいでな」


「主にあの子のせいね」


「私ですか!?」


満場一致である。


「まず第一条」


ガルドが指を立てる。


『ノアは勝手に拠点を改造しない』


「重要すぎる」


「最重要ね」


「えええええ!?」


「なんでですか!?」


ノアが本気で驚く。


「全部だよ!!」


「説明の余地ないわよ!」


「便利じゃないですか!」


「規模が問題なのよ!」


「庭とか!」


「いらねえんだよ世紀末に!!」


「では第二条」


『ノアは光らない』


「無理です!」


「早い!?」


「なんでよ!?」


リナがツッコむ。


「演出的に必要です!」


「何の演出だ!!」


「次」


ガルドが強引に進める。


『設備を増やす時は事前申告』


「大事ね」


「大事だな」


「了解しました!」


珍しく素直。


だが。


「ちなみに」


ノアが元気よく続ける。


「現在進行形で増設中です!」


「なんでだよ!!」


──ゴゴゴゴゴ……


嫌な振動。


全員がゆっくり振り向く。


拠点の外。


建物増殖中。


「待ちなさい」


「ルール制定中よ!?」


「間に合いませんでした!」


「止めろよ!!」


「次!!」


ガルド半ギレ状態。


『料理行為は制限対象』


「賛成」


「賛成」


「えっ」


「なんでですか!?」


「前科が多すぎる」


「拠点が吹き飛びかけたのよ」


「ですが成功例もあります!」


「ゼロよね?」


「ゼロだな」


「えっ」


「次!」


『危険行為の禁止』


「基準が曖昧すぎるだろ」


俺が冷静に指摘。


「ノアの行動だいたい該当するわよ」


「全部危険だな」


「ひどくないですか!?」


「最後にこれだ」


ガルドが深く息を吸う。


非常に重要そうな雰囲気。


『ノアは落とし穴を作らない』


「重要」


「超重要」


「なぜですか!?」


「何人落ちたと思ってるの!?」


「世紀末で一番不要な設備よ!」


ノアは本気で悩んでいた。


「……完全撤廃は難しいです」


「なんでだよ」


「ロマンがあります!」


「ねえよ!!」


結論。


「……ルール決めても意味なくない?」


リナが呟く。


「気づいてしまったか……」


ガルドが遠い目。


「私は守りますよ!」


ノアが元気よく宣言。


次の瞬間。


──ガコン。


ガルド落下。


「なんでえええええええええ!?」


「旧式です!」


「撤去しろよおおおおおお!!」


こうして。


拠点ルールは制定された。


ただし。


実効性はゼロだった。

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