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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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15/33

お宝の匂いは、だいたいトラブルの前兆

「……ねえ」


保管庫で物資を確認していた時だった。


リナが不意に声を上げる。


「この奥、まだ空間あるけど」


「ん?」


言われて視線を向ける。


壁。


ただの壁。


……に見える。


「さすがリナさん!」


ノアが即座に反応した。


嫌な予感しかしない。


「隠蔽構造です!」


「分かるの?」


「なんとなくです!」


「相変わらず不安な検知能力ね……」


──サラサラ……


ナノマシンが壁へ広がる。


構造が崩れ、


隠されていた通路が姿を現した。


「本当に隠し部屋だった……」


「こういうの、だいたい当たりなんだよな」


「死亡フラグにも見えるけど」


否定できない。


通路は異様に静かだった。


設備も比較的無事。


明らかに重要区画の雰囲気。


「……なんか嫌な感じ」


リナが珍しく慎重な声を出す。


正しい感覚である。


「問題ありません!」


ノアが元気よく前進する。


「一番信用できない台詞きたわね」


そして。


通路の最奥。


そこにあったのは。


「……なにこれ」


小さな台座。


その上に浮かぶ物体。


淡く光る立方体。


旧文明製と思われる未知のデバイス。


どう見てもレア。


どう見てもイベント装置。


「…………」


「…………」


三人揃って沈黙。


「当たりっぽいな」


「当たりですね!」


ノアが即答。


輝く瞳。


危険な兆候である。


「触るなよ?」


俺は念を押す。


非常に重要な警告。


「解析します!」


「聞いてない!!」


ノアが即座に手を伸ばす。


止められない。


いつものことである。


──ピキィィィン……


光が脈動する。


施設が震える。


嫌な演出発生。


「やっぱりいいいいいい!!」


リナ絶叫。


「問題ありません!」


「毎回それで問題起きてるのよ!!」


光が収束。


そして。


立方体が変形する。


展開。


投影。


空間に浮かび上がるホログラム。


旧文明のインターフェース。


見たことのない技術。


「……すご……」


リナが呆然と呟く。


珍しく純粋な驚き。


──《適合者を確認》


機械的な音声。


施設内に響く。


「え?」


「え?」


「え?」


──《管理権限を移譲します》


光がノアへ集中する。


一瞬の閃光。


「ちょっと待って」


リナが真顔になる。


「なんでこのポンコツAIが適合してるの」


「ポンコツではありません!」


「そこじゃない」


ノアの周囲に光のリングが展開する。


完全に覚醒イベント。


「接続完了です!」


「何と!?」


「よく分かりません!」


「分からず繋ぐな!!」


ホログラム情報展開。


旧文明のデータ群。


膨大な記録。


未知技術。


「……これ」


リナが低く呟く。


「とんでもないお宝じゃない……?」


「っぽいな」


「超レア遺物です!」


「説明になってない」


その時。


施設全体が揺れた。


重い警報音。


──《セキュリティシステム起動》


「ほらあああああああああ!!」


リナのツッコミが完璧に炸裂した。


レア遺物。


それはロマンである。


だが。


だいたい面倒もセットだった。

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