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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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14/42

廃墟はロマン、ただし相棒が問題児

「……で」


巨大な建造物を見上げながら、リナが呟く。


「なんでこんな場所に来たのよ」


目の前にそびえるのは、


半ば崩壊した旧文明の研究施設。


明らかに危険。


明らかにイベント発生ポイント。


「面白そうだったから」


「理由が軽すぎる」


正論だった。


「素晴らしいですねマスター!」


ノアはやたら興奮していた。


非常に嫌な兆候である。


「ロストテクノロジーの匂いがします!」


「匂いで分かるの?」


「気分です!」


「その機能いらないわよ……」


入口は半壊していた。


瓦礫だらけ。


普通なら進入不可能。


「任せてください!」


出た。


嫌な台詞ランキング上位。


──サラサラ……


ナノマシンが広がり、


瓦礫が溶けるように消えていく。


相変わらず規格外。


「便利すぎない……?」


「便利すぎる」


「ズルくない……?」


「ズルい」


施設内部。


薄暗い通路。


静まり返った空間。


遠い過去の気配。


「……なんかそれっぽいわね」


リナの声が少しだけ小さい。


雰囲気に飲まれている。


「怖いですか?」


ノアが無駄に近づく。


「近い」


即座に押し返される。


「別に怖くない」


「強がりですね!」


「殴るわよ」


「えっ」


通路を進む。


放置された機材。


崩れた端末。


時間だけが止まった世界。


「……本当に人がいたのよね」


「いたんだろうな」


「不思議ね」


少しだけ静かな空気。


この作品には珍しいシーンである。


その時。


ノアが突然立ち止まる。


また嫌な予感。


「反応を検知しました」


「その言い方やめて」


リナが即警戒。


天井から降下する影。


旧文明の警備機械。


今度は複数。


明らかに戦闘用。


「だからこうなるのよ!!」


リナのツッコミが完璧だった。


「排除します!」


ノア即応。


非常に頼もしい。


方向性はともかく。


次の瞬間。


ノアが突撃。


回し蹴り。


パンチ。


投げ。


全部物理。


「なんで全部殴るのよ!?」


「効率重視です!」


「戦闘までそのノリ!?」


数秒後。


戦闘終了。


機械全滅。


施設半壊(巻き添え)。


「被害出てるじゃない!!」


「誤差です!」


「誤差の規模がおかしいのよ!」


さらに奥へ進む。


そして。


「……ねえ」


リナが足を止める。


「これ……」


視線の先。


巨大な保管庫。


未開封状態。


「当たりっぽいな」


「大当たりです!」


ノアが輝く。


危険な輝き。


──ガコン。


扉が開く。


そこに並んでいたのは。


保存食。


医療キット。


エネルギーセル。


旧文明の物資群。


「……すご……」


珍しくリナが素直に驚く。


「探索大成功ですね!」


ノアがドヤ顔。


珍しく有能である。


「……たまには役に立つじゃない」


「たまにってなんですか!?」


「普段の行動を思い出しなさい」


「えっ」


廃墟探索はロマンである。


だが。


一番危険なのはやはり、


同行しているAIだった。

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