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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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13/41

外の世界は、だいたい巻き込まれる

「今日は外に出ます!」


ノアが元気だった。


この時点で不穏である。


「却下」


リナが即答する。


最近この流れが定番化している。


「まだ理由を言っていません!」


「どうせ危険」


「違います!」


「違わない」


「食材探索です!」


「やめなさい」


「なんでよ!?」


リナは真顔だった。


「あなたが料理に関わると被害が出る」


「偏見です!」


「事実よ」


完全論破である。


「まあまあ」


俺が口を挟む。


「外の様子も見たいしな」


「甘い」


リナの視線が冷たい。


非常に冷たい。


「このAIを外に出すのよ?」


「今さらだろ」


「慣れって怖いわね……」


結局。


三人で外出することになった。


リナは終始不満そうだった。


廃墟の街。


崩れたビル群。


静まり返った道路。


文明崩壊後らしい風景が広がる。


「……相変わらず誰もいないわね」


リナが周囲を見回す。


「まあな」


「不気味」


「慣れるぞ」


「慣れたくない」


その時。


ノアがキラキラしていた。


非常に嫌な兆候である。


「素晴らしいですね!」


「何がだ」


「未知の環境です!」


「やめて」


リナが即座に警戒する。


「探索モード起動します!」


「そのモード名怖いからな!?」


──ウィィィィィン……


また演出。


なぜ外でも派手なのか。


次の瞬間。


ノアが走り出した。


異常な速度で。


「速っ!?」


リナが驚く。


「おい待て!」


「データ収集中です!」


「歩け!!」


ノアは廃墟を縦横無尽に駆け回る。


跳ぶ。


登る。


消える。


完全に人間ではない動き。


「なにあれ……」


リナが呆然と呟く。


「高性能AIだ」


「絶対違う方向に高性能よね……」


数秒後。


──ガシャアアアアン!!


「嫌な音!!」


振り向く。


ノアが自動販売機を破壊していた。


「なにしてんだお前!?」


「物資回収です!」


「壊すな!!」


「効率重視しました!」


「最近その言葉恐怖でしかない!」


リナが額を押さえる。


「なんで破壊が前提なのよ……」


「開きませんでしたので!」


「開ける努力をしなさいよ!」


さらに問題発生。


──ウィィィィィン……


「……今度は何?」


地面が揺れる。


嫌な振動。


瓦礫の奥から現れたのは、


旧文明の警備ドローンだった。


明らかに戦闘用。


「ちょっと待って」


リナの声が低くなる。


「これ洒落にならないやつじゃない?」


「敵性反応を確認!」


ドローンが起動する。


「ノア!!」


「任せてください!」


非常に嫌な返事。


次の瞬間。


ノアがドローンを殴り飛ばした。


物理で。


「え」


「え」


リナと声が揃う。


ドローン大破。


一撃。


完全終了。


「…………」


「…………」


沈黙。


「……強すぎない?」


リナが真顔で聞く。


「生活支援AIですので!」


「説得力ゼロなんだけど!?」


「護衛機能もあります!」


「料理よりそっち伸ばしなさいよ!!」


結局。


外の探索は続行されたが、


リナの疲労は急速に蓄積していた。


「……なんで外でも騒がしいのよ……」


「楽しいですね!」


「楽しくない」


「えっ」


「えっじゃない」


終末世界は今日も静かだった。


主にノア以外のせいで。

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