6「ざ、ザクロさん?!」
カトレアのめくったカーテンの中には丸々とした毛並みの整えられた子犬。犬というよりも狼のようだ。どこか神聖さのある子狼にカトレアは思わず感嘆の息をこぼした。
「やっと、退けたのかよ」
どこか怒ったような呆れたような偉そうな声が子狼から発せられる。その声にカトレアは聞き覚えがあるのだが、それどころではなかった。
「しゃべ、喋った」
あまりの不自然さにカトレアは腰を抜かしてしまう。
まるで化け物を見たかのようなカトレアの態度が気に食わず、子狼は二足で立ち、腰?に手を当てた。
「テメェの世界の獣も喋んのがいるの知ってんだ。今更驚くな!!」
無理です。
はっきりと言いたいが、仁王立ちで自信満々に言われてはカトレアは何も言えなかった。
魔獣の中でも魔族と呼ばれる人型と獣型になれる種では珍しくないと聞くが、何せカトレアたち人間と魔族は長年険悪な関係だ。護衛がしっかりとしている大半の王都に住む貴族が魔族を見ることはほとんどない。
「ザクロさん。どうやって私の部屋に入ったんですか?」
「ここのヤツらおもしれーな、ちょっと戯れたらすんなり入れた。ケッケッケ」
独特な笑い声をあげるザクロの言葉にカトレアはこの屋敷の警備不備に顔を引き攣らせるしかなかった。
この時代では魔族は害をなす魔獣の一種として捉えられています。
子狼ザクロはもふもふでかわいいです。
子狼なのは油断を誘うためです。
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