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5「そうですよね-(棒)」
「お父様、ヴァイスとの婚約に関してご相談が…」
「カトレア、ヴァイス“様”だ」
「…はい」
カトレアは帰って早々叱責される。
思わず感極まってしまい、心の声と混ざってしまった。
「わかっている。婚約破棄の件だな、しかし、私としてはヴァイス殿下がそのようなことをなさるとは到底思えない。きっと何か考えあってのことだろう。
二月経っても変わらなければ君の思う通りにしなさい」
私が言い渡されたというのにヴァイス王太子殿下の肩を持つ実の父。
この父は私の心など全く持って気にしていないのだ。以前からそうだった。
期待しても無駄ね。
それでも助けたいと思ってしまうカトレアは親子のつながりがあるものねと皮肉気に鼻で笑う。
沈む心を押しとどめて、カトレアは笑顔を取り繕う。
「わかりました」
納得がいかないカトレアだったが、今はそれどころではないためすぐに父の書斎を後にした。
自室に戻ると、心配してきたメイドたちに「疲れたから、一人にさせて」と言っておいたため、この場にはカトレアしかいない。
はずだ、何かいる。モゾモゾと動くカーテン。
窓は閉めきられているため、風で揺れてはいない。
カトレアは恐る恐るカーテンをめくった。




