2 「知りませんでした」
「キャア!!」
思わず、後ずさってしまった。
次第に、何もしていない男を見た目で判断してしまったことに対する罪悪感が募っていく。
「オメェが勝手に呼んだんだろうが」
言い捨てるような乱暴な物言い。
カトレアは男の言っている意味がわからず、首を傾げる。今更ながら、なぜ生きているのだろう。この空間はなんなのだろうという疑問が増えていく。
「あの、質問いいですか?そもそも、あなたは誰ですか?」
何か話さなければ先に進まない。
そう思ったカトレアは勇気を出して、苛立っている男に質問した。
「テメェ、オレが誰かも知らねえで召喚しやがったのかよ。ちゃっかり、代償もらっちまったじゃねえか」
吐き捨てるように男は呟く。
悪魔の類なのだろうか、召喚とか言っているし…。
常に高圧的に話されて、慣れていないカトレアの心は悲鳴をあげている。
「オレはザクロ。テメェは何でもこのオレに捧げるっていう約束のもと、オレを呼んだ。ここまではわかるか?」
「私、そんなことしたんですか?」
「オメェが言ったんだろ。オメェの一族の命が尽きるから、昔の約束を果たせって」
「?」
もちろんカトレアは召喚の魔法陣を描いたり、そんなことをした記憶はない。
どこの記憶を探っても、やはりない。
カトレアが唸り声を上げるもわからなかった。
「死に際に詠っただろ」
何当たり前のこと言ってんだと、ザクロは顔を歪めげんなりとして言った。
一族に伝わっていた詠が悪魔召喚の詠唱だったなんて。
カトレアはショックを受ける。
「私、そんなこと聞いてない」
カトレアが思わずつぶやき、白くどこまでも広がる空間にこだました。
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