その日のこと
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目が覚めたら真っ黒いだけの空間
何も聞こえず何も匂わず無が広がっている。
全てが少し歪んでいるように見える。気持ち悪い
目を絞らせるとぼんやり人影のようなものがみえる
「見えるか?」
いきなり声が聞こえた。
てか待って。なんで生きてるの私
「まぁ。焦るのもしょうがない、単刀直入に言う君は今2度目の人生も死にそうになっているんだ」
「2度目の人生…?」
2度目の人生ってなんだ…私はさっき荒地で襲われて。あ、
「さっき何か食らって死にかけてただろ?あれなんだと思う?」
それは分からない。目の前が光って。焼けた
「わからないです…」
「まぁだろうな。君がいた時の世界にはなかったものだから」
私がいた世界…?
走馬灯で見えたやつか、
「あれはな。魔法って言えばわかるか?」
魔法?何だこの影。おちょくってるの?
「魔法なんてあるわけない。みたいな顔してるな」
「すみませんが。信じ難いです」
「だろうな」
魔法…ってことは私は前世死んでしまって異世界転生させて貰えたのかな。
「まぁそんなところだ」
「人の心、読めるんですね」
「まぁ神様みたいなもんだからね俺そのくらいはできるよ」
「異世界転生するのってチート能力とか与えてもらえるもんじゃないんですか?」
「あー。アニメの見すぎか?まぁそういうことはするけど
君。前世は何で死んだ?」
「えっ…?」
「チート能力〜とか夢見たいけどそういうのって前世での死に方が関係するんだよ
例えば他の人を庇って死んだり
神様のミスで死んでしまったりした人とかね
でも君は違った
自殺、だったからね」
そっか。私前世自殺しちゃったんだ
「だからごめんね。君には能力を与えれないんだ」
「そう…ですよね。」
「でも今の状況は可哀想だからさっきの男たちからはとても遠ざけて街の近くにワープさせといたから頑張ってくれ。」
え?まだあの世界では生きてるのか…?
「うん、ギリ生きてるよ。」
「でも頑張るってなにを…?」
「それは第2の人生だよ、君が自殺していやだった世界とは違う世界。それでだったら楽しめそうだろ?」
そっか。この影の人は私のために…
「…頑張ります」
「じゃあまたね。」
目の前が白くなっていた。
目を開くと野原にいた。日が眩しい
少し遠くに街が見える
「あそこに行けば安全かな…」
歩き始めた
その瞬間激痛に襲われた
怪我はそのままだったのだ
その日は無理だと判断し動ける範囲で移動し安全そうな茂みに隠れた
「あの影が私のためにしてくれたことだ、がんばらなきゃ」
異世界…か。生きていけるかな…
目を瞑った
この時何も気づかなかった
この世界に魔物…という存在がいることを
その存在が身近にいることを