41 痴女が舞い降りた日
【痴女が舞い降りた日】をお送りします。
宜しくお願いします。
※※※ルバンスの視点※※※
ジークフリード・ランドルフ……
ゴドラタン帝国ランドルフ伯爵家の現当主。
15歳の元服と共に家督も継ぎ、そして帝国最高戦力ナイト・オブ・ラウンズ右翼一位になった。帝立魔導学園の生徒会長でもある。学業は常に学年トップ。眉目秀麗でスタイルも良く
学園には女生徒達のファンクラブから派生した親衛隊まである。本人は全く自覚がないが、相当もてる。実に羨ましい奴だ。
先日冬休みの宿題の事で頼み事をしたが、やんわりと断られた。自力でやる事が自分の為だと、フォローはするが代筆などはしてくれない。彼が正しい……お代官様はいつも正しい……俺みたいな百姓の気持ちなんか、わかんないやい! そうだ! いっその事、この学園を支配してやろうか。ラウンズをぶちのめし、生徒会を支配して、女生徒は俺のハーレムに、男どもは我が下僕に。そうすれば俺は毎日ドリスと素敵なひとときを過ごせるぞ! いやいやハーレムを作ればエロい事なんか何でも有りだ! 選り取りみどりだ! そうだそれがいい!……などど妄想を繰り広げているといきなり、ジークの部屋に女の子がノックもせず入って来た。
「?! なななんだ? 」
ジークの知り合いか? 僕は真面目でルバンス様とは違う星からやって来ましたみたいな顔して、こんな可愛い子を部屋に呼びつけですか? ってそんな事よりなんだ? この子は? なんでスカートをはいて無いんだ??
「……あの〜う……だれですか? このエロい人……」
誰なんだ! この痴女は? 上は制服、下は紐パンのみって、どんな神経? サイ○人の戦闘服か? 船大工のフラ○キー的なスタイルか? だが見事過ぎる紐パンだ! 極限まで無駄を省いたそのフォルム……キラリと光る素晴らしい真珠のアクセントが紐の付け根を飾り、魔力を内包するシルク生地は今日卸したばかりの様な閃光を放つ!
「エロいとは失礼ね! これはランドルフ家に代々伝わる神具【女神の羽衣】の紐パンよ! ずが高い! 控えおろー」
ははっ〜!! って思わず土下座してしまった。
※※※ジークフリード・ランドルフの視点※※※
ルバンス様は良い素質をお持ちだ。戦闘のセンスは抜群に良く、アリストラス世界でも天才の部類に入るだろう。あと十年もすれば歴史上五本の指に入る魔導士になられるかも知れない。こんなところで、私がルバンス様の道を外させる訳にはいかない。時間がかかってでも魔導の基礎はきっちりと学んで頂き、そして人としても徳を身につけて頂きたい。
そう想いを馳せていると、ノックもせずに我が妹が入って来た。
「いきなりなんだ? またそんな格好で! ルバンス様も土下座なんかしないで下さい! 」
「お兄様こそ、今日は皇帝陛下主催のダンスパーティーではないですか? まだご準備されていないのですか? 」
「私は今回は参加はしない。警備の事もあるしな……またそんな格好で出るつもりか? 」
「……またそんな格好でって、以前もその紐パン姿で皇帝陛下の前に出たの? そして今回も?? 」
流石のルバンスもこいつは、何を言ってるんだ? という顔で、呆れている。
「陛下はそんな細かい事を気にされる様な器量の狭い方ではないわ」
手を腰にあてて、妙に偉そうな立ち姿だ。それに思わず土下座までしてしまったが、なんだこの強烈なプレッシャーは? あがらえない……
「そう言えば貴方がルバンスね? ふ〜ん、お兄様から凄い方だと聞かされていたけど、どう見ても普通ね」
「すみませんね。期待にそえなくて」
「失礼だそ! わきまえろクリス! 」
普段怒らないジークが怒りだした。
「私は母上からお兄様の様子を見て来る様に言われただけですわ……そうだ、ルバンス様もダンスパーティーに出られませんの? 」
宮内庁から招待状は来ていたが、断りを入れている。そんな物はなんとでもなるからと、強引にクリスに腕を引っ張られて会場に向かう事になってしまった。
【痴女が舞い降りた日】をお送りしました。
(映画【スクリーム】を観ながら)