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3 戦国魔導学園 (改訂-3)

【戦国魔導学園】をお送りします。


宜しくお願いします!

 朝靄の中、


 帝都城塞都市スタージンガーの城門が見えて来た。


 ほぼ夜通し走り続けた為、疲労はあるが、問題はない。


「おはようございます。これ通行手形です」

 門番の役人に手形を見せて、さらに帝立魔導学園の推薦状と、入学許可証を見せる。



「……大したものだな。その歳で入学許可が降りるとは……」

 帝国の認可印が押された書類をあらためて門番のおじさんは感心した。大体、魔導学園への入学は中等部を卒業した十五歳ぐらいからが普通だった。ルバンスは今年十二歳になったばかりで、本来なら中等部に行くところだが、ほぼ中等部の学業を終了した学力を示したので、飛び級が認められた。ただしこれも、本来は一般の高等部に行くならば年に何人かはその様な人材も出てくるが、魔導分野ではほぼ皆無だった。それほどこの入学は特例と言える。



「そうですか? 都会には私みたいな人間は幾らでもいると、親父に言われたのだけど……」



「……幾らでもは、居ないだろ? 」



 そんな話しをしながら、手続きを行なって帝都に入る事が出来た。そこへ馬車が入ってくる。



「……?! あんたは?昨日の?? 」

 馬車の御者は昨日道を尋ねられた人だった。



「……ああ、おはようございます! 」

 すぐに窓が開いて、金髪の女の子が顔を出す。



「あああんた! どうやって?? 」



「どうやってって、走ってだよ」

 何だこの上から目線の馴れ馴れしさは?



「嘘おっしゃい! 走ってなんて、七日はかかるわ! はは〜ん! 馬車で来たのね? 」

 (私の六頭立て馬車よりも速いだなんて、きっと八頭立てなんだわ……こいつ、こう見えて貴族なのかしら? でも貴族でもハ頭立ては公爵クラス……)



「……あんた……貴方様はどちらから? 」

 急に言葉使いが変わった。



「俺か? 俺はタイランドからだよ」



「タイランド……」

 (たしかタイランドはバルミラ山脈の向こうにある、グレーデン・ラ・ボナパルト・タイランド公爵家よね……大貴族じゃないのよ)



「……失礼しました。私はロア・ラゲージ男爵家のドリス・ラゲージと申します。まだ手続きがこれからなので、これで失礼いたしますが、また後程ご挨拶させて頂きますわ」



 わざわざ男爵家の姫さまが、馬車から降りて会釈する。なんだかよくわからんが、適当に合わせておいた。



「…….そらぁ、ご丁寧に……」

(……なんか、勘違いしてるよな……)



 「何だかよくわからんが、俺も行くかな……白のクマちゃんパンツか……」


 右手の人差し指に白いホカホカのクマちゃんパンツを引っ掛けて、くるくる回しながら、のんびり歩きだした。



◆◇◆



 帝立魔導学園は王城のすぐ裏手にある、小高い丘の上にあった。入学する生徒達の列が出来ている。大きな門を潜ってすぐ、張り紙がされているボードがある。クラス分けの表だった。



「え〜っと、クラス、クラス……A-1 か」


 すると、ルバンスの姿を見つけたドリスが走っり寄ってくる。

「ちちょっと! あんた! 私の大事な物を取ったわね! 」



「……人聞きが悪い事を言うなよ! なんの事だ? 」

 すっとぼける。


「あれを取ったでしょう!! 」



「あれって? 」

 すっとぼける。


「そんな事言える分けないじゃない!! 」



「言って貰わないとわかんないよ」

 どこまでも、すっとぼける。



「ゴホッン……く……ま……ちゃ…………」



「これの事か? 」

 胸ポケットから優雅に取り出してみせる。



「ハンカチーフみたいに使ってんじゃないわよ!! 」

(……し、しまったつい公爵家の人間に……)



「落ちてたんだよ」



「落ちるか!! 」

 (なんななのよ! 浮世離れしてるわね。流石公爵! どうやって取ったのよ??? )



 そうこうすると、クラスに教師が入って来た。大講堂に移動して入学式を行うと言う事だった。一学年、三十人のクラスが、三クラスある。四学年あるので、三百六十人いる事になる。

 すると中央を後から歩いて来て、壇上に生徒会長が上がって皆を見渡す。銀髪長髪の美男子だ。



「生徒会長のジークフリード・ランドルフだ。諸君! ようこそ! この帝立魔導学園、またの名を戦国魔導学園へ!! この学園では実力が全てだ! 肩書きや、学年、歳、性別も関係ない! 強い奴が偉い! 這い上がって来い!! 以上!!! 」



(……強い奴が偉い?? なんの事だ? )

 一年の生徒全員の頭に疑問符が付いた。



【戦国魔導学園】をお送りしました。

ルバンスは、まったりした学園生活を望んでいるのですが……

(映画 ヒートを観ながら)


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