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第4話 北の森③

「ジーナ、あれは誰だ」

「地方のギルド職員だよ」

「ギルド職員がなぜこんなところにいる」

「ごめん、まだ情報を伝えてなかったね。私の潜伏していた国、ラミュー王国のギルド職員は全員手練ればかりで、国外調査を任されているんだ。だからここにいる」


べちゃくちゃ喋りやがって


「おい、その手練れの前でお喋りとは余裕だな」

「私は何回かギルド職員の戦闘を見たことがあるが、私でも勝てる強さだったからな。それにこちらは2人、リクスさん、あんたもライムのようにしてやるよ」


こいつ、なめ腐っているな

後ろの男も余裕な素振りだ

いいだろう、少し見せてやろうか

俺の気術を

深呼吸して

魔力を体に循環させ

運動効率を上げる


「行くぞ、ジーナ」


バンッッ!


地面を強く蹴る音と同時に

ジーナの目の前まで接近

腕に力を込めて一気に拳を放つ


「痛ってぇ。中々だ」


俺の拳をジーナは受け止めた

中々のはそっちもか

拳のジーナに触れている部位が

どんどんと冷たくなってくる

すぐに手を離した

触れていた部位を見ると

氷の欠片がついていた


「逃げられたか。折角、全身凍らせてあげようと思ったのに」

「凍らせるには、遅すぎるぜ」

「ハハ!強がるなって!攻撃を止められて、焦っている癖に!」


まだ余裕そうな表情を見せている

まぁ、その余裕ももう消えるぞ

今から言う言葉でな


「ジーナ、因みにだけどさ。男の方、大丈夫?」

「男がどうしたんだよ」


ジーナは男の方を見た

そこには全身凍った男がいた

それを見るとジーナの

余裕はなくなった、表情で分かる

余裕に代わって警戒の表情が出る


「おい、いつの間に。凍らせた」


さっきまでヘラヘラしていた奴が

急に真剣に警戒するのを見るのは

やっぱり、全然飽きないわ

良い眺めだ


「さぁ、いつでしょうか」

「ダルッ、時間をかけすぎた。ここは下がるとするよ、リクスさん。また会った時は必ず殺す」

「それはそっくりそのままお返しするよ。楽に死ねると思うなよ」


ジーナは逃げていった

逃げる際に凍っている

男に何か言った

俺は聞こえなかったけど


「さてと、ライムだけ担いでいくならまだしも。男の方も王国に突き出さないといけないから。しんどいな」


1人1人担いでいったら時間ないしな


「あ!いいこと考えた!」


俺は氷魔法を使って

地面を凍らせ、滑るようにした

凍っている男にまた氷魔法を使い

氷の形をボードのように整える


「ここはもうちょっと、氷を付け加えてと…出来た!人間ボード!」


我ながら、良い作品だ

そして、それを氷道の上に置いて

準備は完了だ


「ライム、今から担ぐからね。ちょっと痛むかもしれないけど我慢してね」

「ハァハァ…はい…」

「いい子だね。よいしょ!」


ライムを担ぎ

助走をつけて、人間ボードに飛び乗る

助走の勢いでボードは進む

かなり速い速度で

進んでいる間にも

氷になっていない地面に

氷魔法を使い

氷道を絶えないようにする

森の木々もボードを上手いこと操縦して

避けながら国に帰っていく



「リクスさん、調査、お疲れ様です。担いでいる子は怪我人でしょうか?」


門番に聞かれる


「そうだ、SS級だ。重症だから早く丁寧に医務室に運んでくれ」

「了解です。あと、その氷のボード。見間違えじゃなければ、人が入ってますよね」

「そうだ、こいつは犯人1。国に提出する」

「これ、私たちが運びましょうか?」

「いいか?頼んだ」

「任せてください」


ライムとこの情報源のことは

門番たちに頼み

今回の仕事の報告を

ギルドオーナーにしに行く

因みに情報源(おとこ)は凍っているが死んではいない

今は冷凍保存の状態で

氷を溶かしたら

生命機能がまた動き出す

氷魔法はこういうところが便利だ

人を暴れさせずに持ち帰れるからな


××××××××××


ギルドに戻ってきた

もう夕方というのに

まだまだ人は多い

その理由は夜間依頼の

受注開始時間にある

午後6時に開始される

丁度、今頃の時間帯ということだ

わちゃわちゃしている

人と人の間をすり抜けて

受付にいるロクサスに挨拶をして

ギルドの事務室に入る

同期のルッツが見回りから帰ってきていた


「お、リクス。調査お疲れさん~。どうだった?解決できた?」


その問いに対して

俺は首を強く横に振った

それでルッツは察した


「うわぁ~…。ドンマイ。どのくらいの時間かかりそうなの?」


この国では、指名の仕事は

指名された人が

仕事を完全に解決するまで終わらない

つまり今回の場合は

俺がジーナや情報源の

この国に潜伏していた目的を解明し

それが国の害にならなければ

解明して仕事は終わる

だが、害になるようであれば

それを徹底的に、根っこから消す

そういうことだ


「具体的には分からないけど。俺の予想では一筋縄ではいかなさそう」

「ハハハ、可哀そうに。でも、良い功績になるから頑張りな。俺も手伝えることあったら手伝うよ」

「ありがとうな。そん時はよろしく。じゃあ、報告しにオーナーの部屋行ってくる」

「おう!」


俺はオーナーの部屋に行く

ドアをノックし

オーナーが返事したのを聞いて

部屋へと入る


「失礼します。リクス・シュベルツです。北の森の調査終わりました」

「ご苦労さん。リクスが連れ帰った情報源から、もう情報を聞き出せたよ」

「流石、この国の拷問班は優秀ですね」

「そうだね。報告するよ、潜伏は1人だけじゃないみたい。人物は不明だ。じゃ、お願いね、リクス。頼りにしてるよ」

「分かりました。お任せください」


ほら、長く続くと思ったんだ

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