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第3話 北の森②

「ジーナ!なぜ攻撃をしてくる!クッッ!」


ライムはジーナと一緒に

右側の奴を追った

そして、追いつき

捕まえたと思ったら

ジーナに後ろから攻撃され、今に至る

ジーナはギルド会員になって

潜伏していたようだ


「なぜって、簡単な答えだよ。私がお前の敵だから」

「おい、ジーナ。さっさと始末をしろ。早く次の段階に進めなければならない」

「はいはい、分かったよ」


もう1人、ローブを着ている男

ジーナはこいつとグルだった

男はローブのフードを

深く被っているため

顔はハッキリと見えない


「この男に翻弄されているのか!ジーナ!」

「翻弄も何も、最初からこの男側だよ」


ライムはジーナとは

ギルド会員C級の頃からの付き合いだ

ギルド会員最高階級の

Ably級を目標にして

2人で苦楽を共にしてきた

ライムにとって、ジーナは親友だった

そんな人がいきなり

こんな裏切り行為をしたこと

そして、ライムにとって

一番ショックだったのは

ジーナが自分に対して

容赦なく攻撃してきたことだった


「なんでだよ!今まで、一緒に依頼をこなして来たじゃないか!あの時、笑いあったりしたのも、全て嘘だったっていうのか!ジーナ!」

「あぁ、あれは自分でも中々の演技だったと思うよ。ライム、君も楽しかっただろ?」


ライムは悲しさで一杯だった

そして思った

ジーナの隣にいる男を殺れば

ジーナも戻ってくるはずだと

ライムはどうしても

ジーナのことを信用したく

そういう考えになった


「お前を殺せば、全て解決するんだ!」


ライムは風魔法で体の素早さを

限界まで上げた

大剣にも風魔法を付与し

大剣を振った後に

かまいたちを発動するようにした

かまいたちとは風魔法の技の1つ

風が刃物ように標的を

切り刻む技である


「殺ってやる!」


ライムはそう言って飛び出した

しかし、男は想像以上に強かった

ライムが大剣を振る前に

それを片手で、しかも素手で止め

ライムを蹴り飛ばした

飛ばされた時に

木や石にぶつかり

ライムは擦り傷や打撲ができた

立ち上がろうとするが

痛みのせいで出来ない

それをジーナは見ているが

助けようともしない


「ジーナ、お前、本当に…。そうか」


ライムは覚悟を決めた

ジーナに心残りはある

あるがこのまま何もできず

終わるわけにはいかない

どうにかしてリクスさんに

情報を残そうとする

そのためには


「お前を捕まえるぞ!ジーナ!」


男の方はさっき

力の差を見せつけられた

全力を出しても

あの結果だったから

どうあがいても勝てないことは分かっていた

だから、今までずっと

そばで見てきて

強さも得意技も癖も理解している

ジーナならまだチャンスはあると考えた

心残りはあるが

それよりも依頼を責任持って

遂行しなければいけないと

強く思ったからライムは立ち上がる

風魔法を怪我をしている部位に付与し

風の力で無理やり動かす

そして、ジーナに切りかかる


「お前のことはよく知っているぞ!ジーナ!」


が、無理だった

切りかかった時の勢いを

上手く使われて

ライムは片腕、片足を折られる

そこにはライムが知っている

ジーナはもういなかった

強さも得意技も癖も違う

全くの別人の動きをしている


「ライムさ、バカなのか?潜伏しているのに力量を明かすやつがいるか?」


全て嘘だった

ジーナの存在自体がすべて

もう、魔法を使えるマナも残っていない

体も無理やり動かした反動で

動かなくなっていた

ライムに出来ることは

地べたを這いずって逃げるだけ


ズリ…ズリ…


「アハハ!ライム!弱っているモンスターみたい!」


ジーナは面白がりながら

這いずりながら逃げている

ライムを追いかけて

殴ったり、指を折ったりしている


「ングッッッ!」


その度にライムは悲鳴にもならない声を上げる

痛み、悲しみ、苦しみなど

様々な感情が入り混じって

目からは涙が出ていた

この地獄から逃れたい

そう思い必死に手足を動かしている

もう何もかもが分からなくなっていた

彼女はただ前に進むだけ


「もう、同じ反応しか聞かないから、飽きちゃった」


前に進み続けるライムに

ジーナは馬乗りになる


「じゃあね。ライム。君の目つきとか、クール系なところ。気取ってる感じがして嫌いだったよ」


そう言って、ジーナは

拳を上げて氷魔法を使う

拳に氷がついてきて

とげとげの鈍器のようになった

それをライムに向けて振り下ろす

前に横から衝撃が来て

数メートル飛ばされる


「イッた、誰だよ」


痛みで意識が朦朧とする中

ライムが見たのはリクスの姿だった

彼女はついに助けてくれる人が

来てくれたという事実が嬉しくて

目からさっきとは比べ物にならないくらいの

涙が溢れ出ていた


「リグスさん!だすげて!」


××××××××××


俺は傷ついている人を見るのは嫌いだ

その人の気持ちや痛みが伝わってきて

こっちまで苦しくなっちまう

それが関わった人でなくてもだ

目の前にボロボロになったライムが1人

さっき見た、クールさは無くなっている

あるのは命の危機が迫っていることへの

恐怖心ただ1つだ

それを与えたのは

ライムの後ろにいる

ジーナとローブを着ている男だろう


「ライム、助けてやる。おい、ジーナと男。お前ら、うちのギルド会員をここまでして、ただで帰れると思うなよ。悪い奴にはお仕置きの時間だ」

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