三つ編みの、女の子だよ、目の前に。 ~そんな川柳のような状況下で、盛大に見せられるもの。それを、きっとあなたは知ることになるでしょう。こここここれは、美と微の追求された、変態的な何かなのです~
登場人物はあなたと三つ編みの少女だけで、作品内に「」のセリフもありません。
あなたに対して、女性の声が現在の状況のご説明をさせて頂きます。
あなたはエスカレーターの横にあったベンチに座っていました。こちらは総合スーパーの四階です。あなたはつい、用もなくこんな上階まで来てしまったのでした。
周囲には誰もおらず、ひっそりとしています。
これまでの人生、直前に確かに起きていたはずの出来事、その際のあなたの思考やら推測やら……。それらをあなたが振り返っていたら、愛らしい少女があなたの視界に入りました。
少女は、黄色のワンピースを着ています。今は夏ですので、腕を露出したお洋服はとても涼しそうに見えますね。
だんだんと少女が近づいて来たところで、あなたは気づきます。――驚くべき事実に。
少女は長めのスカート部分の裾を、右手で口元にまで運んでいるのです。当然、下のほうが大胆に晒されていました。
少女の黒髪は、後ろで一本の三つ編みになっています。普段なら、長くて細い三つ編みが彼女の特徴になっていたでしょうが、今は裾の極端な持ち上げばかりが目立ってしまっています。
気恥ずかしくなったあなたは顔を下げ、少女を直視しないようにしていました。
少女は裾を持ったまま、周辺を適当にうろつくように歩いていたのですが、やがて、あなたのほうに向かって来るのです。
足音が止まりました。
あなたは、正面を見ます。
少女はあなたに大きな瞳を向けていました。
スカート部分はたくし上げたままで、裾は口元につけています。
あまり色気の感じられない、白い無地の下着が見えました。
お尻を完全に覆う形状だということがはっきり分かるほど、その下着は丸見えでした。
下着以外の見えている部分はどうでしょうか?
普段なら衣服の下で隠れているはずの、色白の太もも。
もちろん、丸見えです。
下着の上にある、ほっそりとした腰も、見えています。
それなのに――。
おへそだけが、しっかりと隠れていました。
少女のおへそが見えないのは、下着のゴムの部分と重なっているから……という理由もありましたが、おへその前に、何かが挟まっているのです。
あなたが見た何かは、下着の内側から五ミリぐらい上部がはみ出ている、角の尖った紙のようなもの。少女の下着の色よりも、より清潔な白さを保っています。
少女はずっと暇にしていた左手で、紙のようなものを引っ張り上げました。
出て来たのは、名刺です。
芸術的な縦横比が美しい、日本では一般的な大きさの、縦91ミリで横が55ミリでしょうか。
少女があなたに見せつけてきた名刺には、黒字でこう書かれています。
『一次落ち しちゃったけれど 長編の サキュリバーズを 読んでほしいの』
五・七・五・七・七。
あなたに対する短歌でした。
(〆)
最後は、
『たくし上げ 太もも晒して 白パンツ』
川柳でした。
で終わらせようか、悩みました。
名刺のサイズまで勉強出来る素晴らしい作品になりました……とは、決して言えませんね。
……出来れば、小説大賞で一次落ちをしてしまった別作品、サキュリバーズ第一幕のほうも、お読み頂ければありがたいです。
最後までおつき合い下さり、ありがとうございました。




