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三つ編みの、女の子だよ、目の前に。 ~そんな川柳のような状況下で、盛大に見せられるもの。それを、きっとあなたは知ることになるでしょう。こここここれは、美と微の追求された、変態的な何かなのです~

作者: 栗野庫舞
掲載日:2021/08/13

登場人物はあなたと三つ編みの少女だけで、作品内に「」(かぎかっこ)のセリフもありません。

 あなたに対して、女性の声が現在の状況のご説明をさせて頂きます。


 あなたはエスカレーターの横にあったベンチに座っていました。こちらは総合スーパーの四階です。あなたはつい、用もなくこんな上階まで来てしまったのでした。


 周囲には誰もおらず、ひっそりとしています。


 これまでの人生、直前に確かに起きていたはずの出来事、その際のあなたの思考やら推測やら……。それらをあなたが振り返っていたら、愛らしい少女があなたの視界に入りました。


 少女は、黄色のワンピースを着ています。今は夏ですので、腕を露出したお洋服はとても涼しそうに見えますね。


 だんだんと少女が近づいて来たところで、あなたは気づきます。――驚くべき事実に。


 少女は長めのスカート部分の裾を、右手で口元にまで運んでいるのです。当然、下のほうが大胆に晒されていました。


 少女の黒髪は、後ろで一本の三つ編みになっています。普段なら、長くて細い三つ編みが彼女の特徴になっていたでしょうが、今は裾の極端な持ち上げばかりが目立ってしまっています。


 気恥ずかしくなったあなたは顔を下げ、少女を直視しないようにしていました。


 少女は裾を持ったまま、周辺を適当にうろつくように歩いていたのですが、やがて、あなたのほうに向かって来るのです。


 足音が止まりました。


 あなたは、正面を見ます。


 少女はあなたに大きな瞳を向けていました。


 スカート部分はたくし上げたままで、裾は口元につけています。


 あまり色気の感じられない、白い無地の下着が見えました。


 お尻を完全に覆う形状だということがはっきり分かるほど、その下着は丸見えでした。


 下着以外の見えている部分はどうでしょうか?


 普段なら衣服の下で隠れているはずの、色白の太もも。


 もちろん、丸見えです。


 下着の上にある、ほっそりとした腰も、見えています。


 それなのに――。


 おへそだけが、しっかりと隠れていました。


 少女のおへそが見えないのは、下着のゴムの部分と重なっているから……という理由もありましたが、おへその前に、何かが挟まっているのです。


 あなたが見た何かは、下着の内側から五ミリぐらい上部がはみ出ている、角の尖った紙のようなもの。少女の下着の色よりも、より清潔な白さを保っています。


 少女はずっと暇にしていた左手で、紙のようなものを引っ張り上げました。


 出て来たのは、名刺です。


 芸術的な縦横比が美しい、日本では一般的な大きさの、縦91ミリで横が55ミリでしょうか。


 少女があなたに見せつけてきた名刺には、黒字でこう書かれています。


一次落(いちじお)ち しちゃったけれど 長編(ちょうへん)の サキュリバーズを ()んでほしいの』


 五・七・五・七・七。


 あなたに対する短歌でした。

 

                    ((しめ)


最後は、


『たくし上げ 太もも晒して 白パンツ』


川柳でした。


で終わらせようか、悩みました。


名刺のサイズまで勉強出来る素晴らしい作品になりました……とは、決して言えませんね。


……出来れば、小説大賞で一次落ちをしてしまった別作品、サキュリバーズ第一幕のほうも、お読み頂ければありがたいです。


最後までおつき合い下さり、ありがとうございました。

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