No.Ex 第六章補完話/A life lived in love will never be dull 4⃣ Side:G
GOTYをELDEN RINGが獲ったぞ―――――!!ゲリラ
ふわっと地面から浮き上がるような浮遊感の後、再び地面に着地したような感覚がして目を開けると、そこには赤い月が昇っていた。
「はぇ?ここどこ?」
「普通だと絶対に来られない場所」
そんな赤い月に照らされた空間。何か、栄えた文明が滅びた後の様な、遺跡?っぽい感じがする。それはいいんだけど、ここはお墓?あ、この先にあるエリアが中立エリアなのね。あのクソ目立つログハウスが気になって仕方ないんだけど。え?あれホーム?
「これは、なに?どういうことなの?なんかビミョい感じしてます?」
「………………いや、連れてきたはいいけど、そう言えばお前のパーティー状態のこと考えてなかったなって」
「あぁ………あたちのパリメン全員BANされたよ。うん、あれ?そうだね。いまあたちどういう状態なんだろ?」
「一時BAN状態だと戻ってくる可能性があるから、独断で解散できないよな?」
おおん?てっきりパーティーに誘ってくれんのかと思ったけど、そっか、あたしが既に他のパーティーにいるから誘えないパティーン?ん~、一応パーティーメンバーの状態を見る限りは、BANマークになってるんだけど…………これが永BANか仮BANかはよくわからんのよね。
「え、これは、パーティーに誘ってもらえるかんじ?」
「まぁ、散々振り回したし。どうせ戻る鞘もないだろうし。先生の所は嫌なんだろ?かと言って新生ロスモラ率いるのも嫌だろうし。実力やポジションとかその他諸々でも問題が無いから、いいかなって。ってな感じで連れてきたは良いけど、お前側で一度パーティー解散しないと無理じゃねって」
「え、あ、うーん…………運営に確認してみていい?」
はいはいテルテル~GMちゃん助けて~。
はい、はい。いやウチのパーティーどうなってんのかなぁ~ってのと、クランの同盟主であるにこにこえがおくんが恐らく永BANされてると思うんですけど、その場合メンバーの私達の状態ってどうなってるのかなぁ~って。街に戻って手続きすれば普通に抜けられる感じですか?
はい、はい、え?ああ。はい。いやクランの解散とか同盟の扱いって、盟主が永BANだともう自由なんですか?それとも現状副盟主の私が権限を移行できる感じですか?
はい、はいはい。うーん、あーー、はい。結局そうした方が早いと。うん、はい。わかりました~。りょうかいーーす。
「街で脱退して、だって。同盟の解散はあたしでもいけそう」
「街かぁ…………」
おっと、ノラくんもなんか事情があるのかな…………?
なーんて思ってたらノラくんが通信で誰かに拝み倒し始め、ともったら急に二人でまたワープした。ここ競馬町?もうなんなのこのワープ。
「急げ!40秒以内!」
「えぇ?」
兎に角ダッシュして街に駆け込み、メニューを即座に開く。
あー、はい、おっけ。にこにこくん完全にBANされてますね。全部の権利が副リーダーのあたしに移行されてる。ならなんでもやりたい放題だね。とりままだBANされてない他の同盟組んでる奴にクランの盟主権限の権利委譲して、欠席裁判であたしだけ無条件でパーティーを離脱っと。止められる人もいないしね。
え、あ、このやり方だとペナがついて抜けられないのか。ん~じゃあ自分名義で単独パーティーを一度作って~これなら行けそう?いけたわ。いけちゃうんだ。三店商法みたいなグレーゾーンなやり方だけど、できればまぁよし!
んで最後にペーパーパーティーから離脱を…………離脱…………できない!?パーティーペナルティで脱退不可!?短時間の移行云々?知らないよばかぁ!先に言えよぉ!GM使えねぇ!
「えええええ…………」
悩んでも仕方ないので街の外へダッシュ。きっかり40秒。これならドーラおばちゃんにもおいていかれない。
てか、こんな堂々と街の近くにいるのに誰も接触してこないのは、なんで?透明人間にでもなってるの?そういやよくわからん化物が空を急に覆ったけど、あれも透明化かなにかで隠してたのかな?
「そのなんとも言えない表情を見るに、何かトラブったか?」
「一応分離できたというか、あたち単独に切り離せす事はできたけど…………」
「それならもういいや。時間切れだ」
そして戻ってきましたログハウス前。どうなってんでしょう。ポンポン転移してさ。てか当たり前の様に転移使いこなしてるけどなんなの?チートですか?
「ごめんねノラくん。短時間でパーティー切り替えとかいろいろやるとペナルティつくみたいで、仮で作ったパーティーから暫く抜けらんないわぁ」
「まぁ、仕方ないだろ。俺の考えが甘かったとしか言いようがないし、ゴロが謝る事じゃない。ただ…………ルート権面倒になるだけで、こうなったら別にクランでもいいのか」
「ん?もしかしてあたしの単独パーティーをクランとして連結させて疑似パーティー作ろう的な感じ?」
「『祭り拍子』ってカミングアウトしたし、このまま”連合”復活しようかな~って」
「ああ、懐かしい名前だねぃ」
「それでいいか?」
「ん~おけ。一緒に居られるならなんでもいいや」
「因みに、一度加入するとほぼ抜けられないと思ってくれ」
「いいよん。最高じゃ~ん?」
ノラくんがメニュー表をぺらぺら弄っているのか、空中で独特の手の動かし方をしている。なんだかいやらしい手つきに見えてきた。メニューの表示、フィールドだと邪魔だからUI表示切ってる人もそこそこ居るんだよね。ただ、それだとメニュー弄ってる時の姿がなんかちょい変に見えるのが問題というか。
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クラン『亜祭羅武連合』より、クランへの勧誘があります
承諾しますか?
YES/NO
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本当に初期の初期、ノラくんがまだ仲間内だけでPK団体を作り始めた時、ノラくんは自分たちの団体にこんな名前を付けた。
アサイラム―――――主に、避難所や保護、亡命といった色んな意味を持つけど、創作物だと『閉鎖病棟』って意味の方が一般的かな?危険な人物が収容される施設にアサイラムという名前をつけることは創作物を漁ってればいくつも見つけられると思う。PKなんてやってる病んでる人たちがいる場所に、閉鎖病棟なんて名付けるなんて大分皮肉めいたセンスだけど、あたしはノラくんのちょっと皮肉屋っぽいところも好き。
けど、のちのち聞いてみると、実は先生に勧められたヤバい映画の配給会社の名前からインスピレーションを得たとかなんとかって言ってて…………なんか師弟ともどもセンスがズレてるなぁ、とは思った。当て字にしたのは敢えて大昔の愚連隊とかに着想を得ているんだろうけど、これで人のコテハン馬鹿にするとか酷くない?むしろノラくんの影響だからね?
でも、やっぱり、こうして誘ってもらえると本当に嬉しい。お情けや流れでの勧誘かもしれないけど、それでも、気にかけてくれてるんだなって。この人の視界に、私は入っているんだなって。しばらく一緒にゲームが出来ていなかったけど、こうしてノラ君の顔見てると生きてるんだなって実感が湧く。
あたしは興奮して少し震える指で、YESのボタンを押した。途端に、色んな称号やらバフがガガガガガガっと表示された。なになに!?メッセージじゃま!今感動のシーンだから!
「ただいま、キャップ」
「…………これは、おかえりって言えばいいのか?ゴロワーズ」
「うん、ただいま!」
こうしてあたしは、無事に元鞘に戻りましたとさ。
勝った!第一部、完!
◆
「久しぶりね」
「さぁ、ゴリゴリ叩き潰………叩き鍛えるぞーー!」
「ゴロワーズ、絶対なまってるしねぇ」
「分析は任せて」
「近接、できるんだって?ちょっとやろうぜッ!」
と思ってたら、遠巻きに見ていたガールズに急な腕を掴まれた。え、なに?叩き潰す?なんか私怨を感じるんですが何故に!?自己紹介とかないんっすか!?
「あの〜……自己紹介とかいいんすか?」
あっ、まともな人がいる!カるタ氏だ!脳スカスカ股ガバガバ系かと内心馬鹿にしてたけど、思ったよりまともだ!?
「名前とかどうでも良くない?どれくらい使えるかでしょ」
ユリンくんが戦闘種族みたいなこと言ってるぅ。コワ〜。てかあんたはあたしのことよく知ってるでしょうが!リアルでも一応めんしきあるやろがい!
いや〜!ドナドナいや〜!
「頑張れゴロ助。メンツ的には金払ってでもご教授賜りたいメンツなんだから」
「だってこの人たち明らかに私怨が混じってるってーーー!?」
ズルズルと引き摺られていく。前衛ヒーラーといえど純前衛にはちょい敵わないんだよねぇ。それはいいんだけど、なんで後衛ポジのはずのスネコスリ氏までこんなパワーがあるの!?ぜ、全然振り解けないぃぃぃぃ!
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON GA KURUZO!!




