No.153 天遥理虚❼
༼;´༎ຶ ༎ຶ༽最近時間がないと言いつつちょっとした空き時間で漸く少しずつジョジョシリーズを履修中。知ってるネタが来ると『おぉ!』ってなって楽しい
༼;´༎ຶ ༎ຶ༽あと個人的にドロヘドロの2期を永遠に待ってる。倫理観なかなかぶっ壊れてて面白いぜ
「グレゴリ、もう一回影絵イケるか?」
『(`◎皿◎´)ゞ イ^ー!(高音)』
オリジナルスキル無し縛りの戦闘。今回はキサラギ馬車の占星も絶対に使わない。一度使ってみてノートは理屈ではなく本能的に実感した、アレは気安く使っていいものではないと。
ヒュディとの戦いは取り返しの付かない戦いではない。負けたところで致命的な事は起きないのだ。使った分の油や弾丸、回復薬は痛いが必要経費と割り切れる。
故に、使っても良い局面に思える今もノートは温存を選択する。
となると、ノート達が切れるイカサマ鬼札はそう多くない。
あまりいい手ではないが、とりあえず様子見をするべきだとノートは考えグレゴリに指示を出すと、グレゴリからは頼もしい返事が返ってくる。
星に照らされた覚醒ヒュディの影が蠢き、大きな影の巨人となる。
その様はちょっとした大怪獣戦争。覚醒ヒュディと影のヒュディが対面し、影のヒュディが飛び掛かった。
対して、覚醒ヒュディは天に4本の手を掲げた。
【À±±ÀÍ褿¤ê¤Æ¡¢À¸¤ò»ò¤ë】
【煌幽残】
瞳に広がる宇宙から煌く霞が放出されフィールドを満たしていく。手が何かを掴むように動くと、その手には宇宙をそのまま固めたような細長い長方形の平たい剣が具現化し、ギリギリで影のヒュディの攻撃を受け止めた。その隙を突くようにヌコォは新しく弾丸を装填し発砲する。
影のヒュディを貫通した弾丸はそのまま覚醒ヒュディを穿ち籠められた闇の爆発が炸裂する。
一応ダメージは入っているようだが、堪えた様子もない。どうやた見た目こそ光・聖だが、闇に弱いという事でもなさそうだ。つまり未知の属性を有している可能性がある。
そしてノートはその属性に心当たりがあった。
「使う?」
「試運転だな」
インベントリを操作するノートに声をかけるヌコォ。副参謀であるヌコォはノートが何をしようとしているか気付いた。
その声はいつも通り平坦に聞こえるが、僅かな不安が含まれていることをノートは感じ取った。
それでもノートは仮面を少し外して笑ってみせる。
「まぁ、任せとけって。さぁ、絶対勝つぞ!」
目には目を、歯には歯を、外法には外法を。
ノートがインベントリから引き抜いたのは槍に取り付けられたボロボロに摩耗した黒い大きな旗。
その旗を手にした瞬間からノートの手に血管が浮き上がり指先が黒ずみ始める。
神寵故遺器・紫星種[神、此処に在らずして、死に給う]
手間暇かけて大きな犠牲を払った末に赤月の都で得た謎多き未知のアイテム。ノートとしてはこれに頼るのはもっと後にしたかったが、背は腹に代えられない。
本当の本当に、色々な理由であまり頼りたくなったかがしょうがないのだ。
「…………ツッキー、仕事を頼みたいんですが」
『ハロハロ〜、所有者さーーーーーん?あれれぇ?私を使うのは相当後になると啖呵を御切りになられたようですがなーんの御用でごぜぇますかぁ〜?』
ノートが悔しげな声でポツリと呟くと、脳内に煽り成分が胸焼けするほど混ぜ込まれたやたら陽気な声が響き渡る。
しかも声自体はあのカオナシと同じカリスマ性を感じさせる綺麗な女性の声だけにミスマッチ感が酷い。不快というよりは、目も当てられない、といった感覚を覚える。
もう少し俗っぽく表現すると、清楚で通ってる美人上司が酔っ払ってキャラ崩壊を起こしちゃった時に感じる居た堪れなさを感じさせるのだ。
『えーっと、確かぁ、「お前に頼らなくても俺たちは十分強い」だとかなんとかおっしゃっていたようですがぁ〜、今はどのようなお気持ちでごぜぇますかぁ?』
そんな声の奴が全力でノートを煽り立てる。言葉の節々に何処となく恨みを感じる煽り具合だ。
こうなると分かっていたからノートはこの手を使いたくなかったし、ヌコォも心配したのだ。
「ハイハイ私が悪うござんした!ツッキー様の御助力を賜りたいのですが宜しいですかねぇ!?こっちもあんまし余裕が無いんだよ!」
その煽りに対して血走った目で怒鳴り返すノート。
徹夜明けとまではいかないが未だ深夜までカウンセリングをする日々が続き若干慢性的な寝不足になっている。
その状態で作戦を立ててボスを分析して指示を出してと色々と考えていると流石に脳も悲鳴を上げ始めていた。そう、今のノートには本当に余裕がなかった。
『ん〜、誠意が足りないでごぜぇますねぇ。しかもこんな雑にわたくせを扱うなんて!もっと生まれたてのベイビーを扱うように丁重に扱ってほしいでごぜぇますよ。わたくせに触る前にちゃんと手を洗ったんでごぜぇますよね?』
それでもノートの脳内に響き渡る声の主は矛を収めない。大阪のおばちゃんもびっくりの勢いで捲し立てて煽りとマウントを欠かさない。
対して限界を超えたノートの解答は簡潔だった。
「お前このどぶ沼に棄てて帰るぞ」
ノート自身でも驚くほど冷たい声が出て、近くにいたネオンが流れ弾に当たってビクリと震える。疲労からくる怒りがノートをキレさせかけていた。
『ひぇ!?これは本気の雰囲気!?あああああもぉぉぉぉ薄情もんでごぜぇますねぇこのオーナーはー!』
「うるせぇ!やるのかやるないのかどっちなんだ!」
ノートがギャァギャァ怒鳴りあってる間にも当然覚醒ヒュディの攻撃は続いている。影のヒュディは震えながらも頑張っているが、覚醒ヒュディの攻撃は特殊なのかダメージを受けるたびに削られてグレゴリからチマチマと『((((;゜Д゜)))))))』とか『ョ゜Д゜ll))ひぇ』とか、『((⸝ᵒ̴̶̷̥́ ω ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝≡( ᵒ̴̶̷᷄ω< ⸝⸝⸝ギャアアアアアアア』とか『(´༎ຶ ω ༎ຶ`)ぴえん』『\(^o^)/オワタ』『´;ω;`)もうダメポ』『(´༎ຶོρ༎ຶོ`)ママー!』『_:(´ཀ`」 ∠):ゔぁぁ』『( ˘ω˘ )ちーん』などと自分の悲惨な状況を報告するAAが飛んでくる。
一体何処のどいつがグレゴリにAA知識をインストールしやがったのか気になるところだが犯人探しは後回しだ。
勿論、頑張ってるのはグレゴリだけではない。
ノート以外にも割と無理なスケジュールで動いているメンバーはいる。それでも弱音を吐かずにヒュディを討つべくもがいている。
【À±±ÀÍ褿¤ê¤Æ¡¢»¶¤ê¹Ô¤¯¼Ô¤è】
【星離雨散】
ヒュディがバレエのダンサーの様に舞うと星の様な輝きが放射される。前衛組は全弾回避、後衛組はネオンがカウンターの魔法を撃つことで相殺に持ち込む。
動きの原型には雲泥の遺児ヒュディのパターンがあるのは確かだが、覚醒ヒュディは全ての技で上位互換の様な技を使う。おまけに火属性など弱点らしい弱点がないときた。これではなかなかダウンも取れず隙を作れない。
振り下ろされる宇宙の平剣。覚醒ヒュディの攻撃は今までの鈍重さを微塵も感じさせない鋭さがある。ユリンは突出したスピードで回避し、スピリタスは今まで温存していたカウンタースキルで防御、トン2は移動系スキルで回避をする。
薄氷の上を歩むようなギリギリの戦闘。緊張の糸が限界まで張り詰め、まさに切れようとしていた時、彼女たちの背後から赤い光が放射され、覚醒ヒュディが動揺したように動きを止める。
『ふんだ!二度と捨てるなんて言えなくなるようにやってやるでごぜぇます!!“▇▇のなりそこない”なんぞわたくせの敵ではねぇでし!!』
脳に響く女性の声。旗が赤く発光し、ノートの背後に深紅の半月が顕現する。
発動する全体バフ。ノート達は露骨に自分たちの肉体感覚が切り替わった時に感じる独特の悪寒を感じる。
減っていたHPとMPが全回復し、摩耗していた装備品の耐久値も回復していく。ノート達を護るようにその身を赤い光が包んだ。
【À±¤Î·çÊÒ¡¢Êì¤Ï²¿½è】
【²±£¤ì¤·¸÷¤òµá¤á¤ó】
【µ®ÍͤÏ菉】
同時に浮かび上がる文字。だが、ノートだけは今まで完全に文字化けしていた文字を断片的に読むことができていた。
それがノートの持つ『旗』の能力。しかしその代償は小さくない。
多数の魂を捧げ、それでも供物が足りぬと言わんばかりに3段階自動HP回復がついてるノートからHPが徐々に奪われていく。身につけた装備が徐々に劣化していき、対照的に旗が生き生きとしてきているように感じる。
「随分手こずったが、いい加減終わりにしよう」
タイムリミットはノートの命が尽きるまで。それでもノートは仮面の下で獰猛に嗤い、旗を覚醒ヒュディに突き付けた。
チートにはチートぶつけんだよ!
─=≡一二三▇▆▆◗
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─=≡一二三▇▆▆◗
─=≡一二三▇▆▆◗
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(´・ω・`)と言うわけで滅茶苦茶キャラ濃い新外道のエントリーじゃオラァ!
(´・ω・`)みんなはお姉さん、聖女ボイスと聞いてCVは誰を思い浮かべます?




