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将来3人家族になるラブ日常  作者: ネオ・ブリザード
一年生『2月14日~3月30日』編
3/13

第3話 バイオレンス・ポニーテール

 

 それはある冬の日……外はまだ厳しい寒さが続きますが、部室では暖房が効いてそこそこ暖かい、そんな日でした。



 机を何時ものように向かい合うように並べ、何時ものように向かい合って座る将来の夫と将来の妻。



「ねえ……」


「んー? どうしたのー?」



 将来の夫に声をかける将来の妻。将来の夫は読んでいる小説から目を離す事なく、将来の妻に返事をします。



「あなたが今読んでる小説なんだけど……」


「ライトノベル?」


「ライトノベルなんだけど……」



 将来の夫の読んでる小説が気になる将来の妻。将来の夫の持っている小説を指差しながら、さらに話を続けます。



「表紙に、随分と可愛い女の子が描かれてるわね」


「描かれてるね」



 将来の夫が持っていた小説には、桃色の髪を、ポニーテールにした可愛い女の子が描かれていました。将来の妻は少々不機嫌そうに将来の夫に聞いて来ます。



「そういう娘が好みなの?」


「うーん、好みと言えば、好みかなぁ」



 それを聞いた瞬間、眉がつり上がり、眉間に皺を寄せる将来の妻。そこに、将来の夫の言葉が続きます。



「……って言ったら、君の事だから、多分この子と同じ髪型にするよね?」



 胸の内を読まれたような将来の夫の台詞に、将来の妻は言葉を詰まらせ、机に伏せてしまいます。



「……しない……」


「本当? 桃色にもしない?」


「……しない! 私があなたを喜ばせる為にそんな事、するわけないでしょ!!」



 将来の妻はそう言うと、机にかけてあった鞄を手に取ります。



「……私、もう帰る」



 そして部室を出ていこうとする将来の妻。その背中に向かって将来の夫はこう言いました。



「僕は、普段の君が一番大好きだよ」



 みるみる紅くなる将来の妻の顔。その顔を将来の夫に見られないように部室を出ていきました。



 ――――――次の日



「……早いわね」


「遅かったね」



 放課後、部室に来た将来の妻の髪型は、桃色にこそなってはいませんでしたが、しっかりとポニーテールになっていました。


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