クンマン
毎日、毎日。飯を食べる。
隣の奴も、そのまた隣のやつも。
農家の人が作り、交通機関を経て運送され俺達の食卓へ飯は運ばれてくる。
上手い飯はついつい食いすぎる。
「今日もお前、めっちゃがっついてんな」
「お前だって超食ってんじゃん」
下らない話を仲間とする。毎日顔を合わせてるんだ会話だって単調になるさ。
辺りが暗くなり、眠たくなれば寝る。いわゆる蛸部屋ってとこだ。
あー個室で寝てえ。
思えば、いつの間にかおっさんになっちまったな。
童貞?いやいや、むしろ童貞も守れない奴が一体何を守れるんだっていうな。
思い出と共に、友人の顔だって思い出せなくなって来てやがる。
「なーに物思いに耽ってるんだよ」
「いや、ちょっとな」
いま隣にいるコイツは未来に何を描いているんだろうな。
まっ、なかなか気さくで良い奴さ。
……
また夜が明ける。
今日はいつもと朝の雰囲気が違う。
あれか。移動の日か。
やっぱりそうらしい。
白衣を着た人達がやってきた。
俺もいよいよか。シャキッとしなきゃな。
ゲートが開く。
新しい世界へと続く道が今、目の前に。
騒ぐ奴もいるが俺は違う。シャキッと、冷静にしっかりとした佇まいで進む。
車に乗る。車の揺れも相まってか少しドキドキする。
……
到着した場所は、広く綺麗な施設だった。
こんなキョロキョロしてちゃいかん。田舎、者丸出しだ。
しかし、相棒とも別々になっちまったな。
動く床を進みながら、ふと思う。
おっ、また白衣を着た方々がいらっしゃった。
シャキッとせねば。
あれ?
なっ、なにをする!何故、麻袋を頭に被せるんだ?!
……
はっ、気付いたら。目の前が真っ暗だ。
そうか、麻袋を被せられてるんだもんな。
うーん。コレ取れないかな。
首を少し振ってみる。おっ、取れた!
え、なっ?!は?
俺達は宙吊りにされていた。
白衣を着た方がいる!
おーい助けてー!!
『なんだ、うるせぇなぁ。ちょっと待ってろ』
白衣を着た方は、麻袋を被った頭の首を……次々に鎌で刈っていく。
それは、それは手際よく。いとも容易く。
血がドバドバ流れていく。
嘘だろ。
何故、何故、何故、何故、何故、なぜ?
『あーうるせぇなあ。先に刈っちまうか』
あっ。えっ。こっ。こないで。っえ。
……
「しゃせーい!」
てるるん。てるるん。
「○○○○クンマン新発売だよー!」
「わぁ!かわいい見た目!パパ買ってー!」
「しょうがないなぁ、○○○○クンマン一つ下さい」
「ありりあっしたー!またらごっちしまー!」
「美味しいか?」
「うん、美味しい!けどちょっと熱い」
「ははっ。寒いから丁度いいだろ」
……




